2006 Fiscal Year Annual Research Report
シルクアパレル事業の日本におけるフィージビリティに関する技術的経営的研究
Project/Area Number |
18300241
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大谷 毅 信州大学, 繊維学部, 教授 (00092867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 和子 文化女子大学, 服装学部, 教授 (40202882)
梶原 完爾 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (10133133)
高寺 政行 信州大学, 繊維学部, 教授 (10163221)
濱田 州博 信州大学, 繊維学部, 教授 (30208582)
松本 陽一 信州大学, 繊維学部, 教授 (50021176)
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Keywords | シルク / アパレル / ラグジュアリーブランド / 経営 / リーバース・エンジニアリング / ブランド |
Research Abstract |
後退著しい呉服業界に比し、浮沈はあるにせよLuxury Brand業界は対照的である。そのモード・ファッションに占めるシルクアパレル(呉服を除く・以下同じ)は主流とはいい難いが確固たる地歩を占め、崩壊寸前の日本の蚕糸絹業と異なる様相をもつ。彼我差因とソリューションを技術的・経営的に追求し、シルクアパレル事業のフィージビリティを計算し、本研究の成果として所要の「事業計画」を提示する。以下に初年度の実績を示す。 1:シルクアパレル事業の現況を確認。所管庁外郭団体・地方公共団体所管部門、蚕糸・絹業団体役員、試験研究機関研究者、機業産地A、同旧産地B、染色産地C、大手商社Dの旧幹部、生地問屋E・Fの幹部をヒアリングした。各界の主張を、高水準技術の存在、販路・ブランドの欠如、国内完結志向、Push的流れ作業、サバイバルアウトサイダーへの高い評価と集約した。 2:技術的検討。06年8月・12月パリ・ミラノ所在Luxury Brand X・Y・Z店舗で試料A・B・C・D・Eを求めリバースエンジニアリングをしている。07年2月Milan UnicaとPremiere Vision Parisを観察。07年3月イタリア業界団体幹部M・N、コモ・テキスタイルメーカーV、Luxury Brand Wのコモ縫製工場・ミラノ本社をヒアリング。また06年12月にパリのプレタポルテ業界団体幹部P、中堅アトリエ(Q・R)、専門職大学院大学Sをヒアリングした。彼我差因は縫製・デザイン・材料の相乗効果とするも、主要因は材料に傾きつつ次年度にはいる。 3:経営的検討。国内アパレル事情をおおむね既知とし、パリ・ミラノ在住繊維業界人T・U、前出の業界団体幹部やアトリエ、パリの大手証券会社Gなどの意見を求めた。あえて整理すると、パリにおける無形資産への果敢な投資、東京に対する消費地として高い評価・モード産地として低い評価・中国との近接メリットとなる。総合するとLuxury BrandのKeyは販売力であってその延長でシルクアパレルが売れている。シルクアパレル事業のフィージビリティはM&Aの評価に帰着するであろう。次年度は確率論の手法を援用して、その評価手法を研究する。
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Research Products
(3 results)