2006 Fiscal Year Annual Research Report
家族の生活経営から市民社会と協働する家族生活へ-地域生活力・生活公共の概念と実証
Project/Area Number |
18300248
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
堀越 栄子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (70060720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住澤 博紀 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50226601)
植田 敬子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50148368)
秋元 健治 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (80269232)
天野 晴子 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (50299905)
高増 雅子 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (20120769)
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Keywords | 家庭経済と家庭経営 / 社会集団・組織論 / 地域生活力 / 地域ガバナンス / 生活公共 |
Research Abstract |
本研究は、地域生活力を3層の地域ガバナンス-パブリック・ガバナンス、ソーシャル・ガバナンス、コミュニティ・ガバナンス-から考察することとし、2006年度は、アクティブな地域における地域生活力・生活公共の現状(特に地域の様々な組織の活動とそのネットワーク)をヒアリング調査により把握し、その概念を規定することを目指した。後者については2007年度も継続する。 ヒアリング調査では、(1)事前準備として、入手可能な統計を用いて人口、労働、産業、財政など調査先の概観をとらえ、(2)さまざまなタイプの元気な地域を選び、地域の団体で活躍する個人とそのネットワークのあり方、および生活者・市民の家族経営と地域の団体、経済組織、行政機構内での仕事や活動の関連を調査した。調査地域は、岩手県奥州市、山形県長井市、新潟県長岡市、長野県茅野市、埼玉県川越市・草加市、静岡県掛川市、静岡県天竜市熊町、愛知県高浜市、大阪市東住吉区、鳥取県境港市、広島県呉市である。調査先としては、(1)行政、(2)議会、(3)地域団体(地縁型組織1組織、テーマ型組織2組織、30歳代・40歳代男性中心の団体、30歳代・40歳代女性中心の団体、商工会・農協などの産業組合、(4)その他地域力を把握するため調査(子ども(学童)の地域社会への参加、若者の就業、高齢者福祉)を予定、実施した。地域によっては2007年度も追加調査を予定している。 本調査からは、次のことが明らかになった。 1 地域生活力を3層のガバナンスから考察することとしたが、ガバナンスの基盤として、暮らしている地域に対しての人々の誇りや愛着が3層を超えて存在する。その背景には歴史的、文化的、政治的要因がある。また、人材形成や人と人を結ぶ組織についての伝統と経験をもつ。当然のことながら地域差がある。 2 活気のある自治体の行政は協働、自治、市民とのパートナーシップ、コミュニティ形成などの戦略をもち、市民団体づくりや発展への支援を行っている。 3 活発な活動を行う市民団体には、リーダーがおり、生まれ育ったまちの外部(土地や人)との接触の経験を持つ場合も多い。また、協力者がいたり、ネットワークをもっている。 4 活動は、所得や具体的なサービス、新しい市民組織、ソーシャル・キャピタルなど多くの成果や果実を生んでおり、そこに、家族関係の改善、発展も含まれる。
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Research Products
(2 results)