2008 Fiscal Year Annual Research Report
北極雪氷コアから解読する気候・環境シグナルの標高依存性
Project/Area Number |
18310015
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
東 久美子 National Institute of Polar Research, 研究教育系, 准教授 (80202620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本山 秀明 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (20210099)
瀬川 高弘 情報・システム研究機構, 新領域融合研究センター, 特任研究員 (90425835)
三宅 隆之 国立極地研究所, 研究教育系, 特任研究員 (90390715)
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Keywords | 雪氷コア / 北極 / マウントローガン / スバールバル / 標高依存性 |
Research Abstract |
1.雪氷コア自動融解装置の開発:融解サンプルを希望する深度ごとにサンプル瓶に注入するため、融解装置にレーザー距離計を接続し、サンプルの深度を自動計測するシステムを構築した。さらにコンピューターによるレーザー距離計とフラクションコレクターのコントロールを行った。 2.マウントローガン雪氷コア・サンプルの切断及び前処理:昨年度に引き続き、マウントローガンの雪氷コアを5〜8cm間隔で切断した後、セラミックナイフで汚染除去を実施した。更に、汚染除去したサンプルを融解・分注した。合計600サンプルの前処理を実施した。 3.マウントローガン雪氷コア・サンプルのイオン分析:昨年度前処理を行った約200個のサンプルのイオン分析を実施した。昨年度、イオンクロマトグラフによる分析法の改良により、従来よりも低濃度のイオンが測定できるようになったため、従来測定できなかったフッ化物イオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンの濃度測定が可能になった。これらのイオンもカルシウムイオン、アンモニウムイオン、硝酸イオン、MSAなどと同様に、規則正しい季節変動が確認された。他種類のイオンの季節変動ピークを数えることにより、年層をより精度良く決めることができるようになり、年代決定精度が向上することが期待される。 4.微生物分析法の検討:雪氷コア自動融解装置を用いて微生物分析用のサンプルの作成が可能になった。しかし、コンタミネーションが完全に除去されたことを証明することは困難であり、論文の査読者を納得させるためには今後、国際基準を構築する必要がある。
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Research Products
(8 results)