2007 Fiscal Year Annual Research Report
生命の尊厳をめぐるアメリカ対ヨーロッパの対立状況と対立克服のための方法論的研究
Project/Area Number |
18320008
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
盛永 審一郎 University of Toyama, その他の研究科, 教授 (30099767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 尚武 鳥取環境大学, 大学院・環境情報学研究科, 教授 (10011305)
飯田 亘之 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (90009663)
今井 道夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70048130)
忽那 敬三 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (70192028)
坂井 昭宏 桜美林大学, リベラルアーツ学群 (20092059)
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Keywords | 生命の尊厳 / 人間の尊厳 / 生命の神聖性 / 生命の畏敬 / ヒト胚の身分 / 生命権 / 個人の尊厳 / パーソン論 |
Research Abstract |
研究者個々人でそれぞれ所定の研究課題を遂行し、研究テーマへのアプローチを行った。また、グループとして共同研究会を2回開催した。1回目は7月15日広島大学応用プロジェクトとの共同で、対立している「人間の尊厳」概念を巡り、シンポジウムを開催した。前年度の報告書(2007年3月刊)に掲載した加藤先生め論文の問題提起を受けてのことである。胚は質料的存在なのかをあぐり、上智大学のホセ・ヨンパルト名誉教授(法学)とドイツ・マインツ大学カトリック神学部のライター教授に講演を依頼した。「人間の尊厳」の人間概念が問題とされた。個性だけでは人間の尊厳は理解され得ないことが二人の共通の主張であり、これは加藤氏も認めた。しかし、逆に、受精した瞬間かち尊厳を持つというのはあまりにも唯物論的でないかという批判が出てくることになった。2回目は12月26,7日に京都生命倫理研究会との共同で研究会を開催した。26日午後に、研究課題の一つ、「対立克服の方法論」の検討を行った。状況は、英米の自由主義、個人の自己決定権尊重原理に収束しつつある感が強い。しかし、ここで支配するのは多数決モデルであり、一種の政治的決着であり、モラルセンスとはほど遠い気がする。海外へは、忽那敬三氏を6月にオーストリアに派遣した。また研究資料集(続・生命倫理研究資料集I・II(総ページ413ページ)を3月11日に刊行(500部)し、関係機関、研究者に配布した。現在報告書を作成中である
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Research Products
(36 results)