2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18320031
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥平 俊六 Osaka University, 文学研究科, 教授 (30167324)
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Keywords | 絵画史料 / 近世風俗画 / 南蛮屏風 |
Research Abstract |
課題に関わる20年度の研究実績について以下に概略を記す。 最初に、主たる連携研究者である日高薫、成澤勝嗣両氏と今後の進め方について打ち合わせ、20年度は既存データの整理を中心に行いながら、少しずつ国内調査も進めていくことにし、新たな海外調査は最終年度に計画することとした。 前年度まで中心においた南蛮屏風に代わって、近世初期風俗画の中では、当初から洛中洛外図、京名所図をあげていたが、これに加えて、祇園祭礼図、賀茂競馬図、調馬図、豊国祭礼図、演能図、厩図などもデータ収集の対象とすることにした。とりわけ祇園祭礼の描写は、洛中洛外図、京名所図に描き込まれることが多いので、それを別に扱うよりも、絵画資料論としては、同じフォーマットでデータ収集をしていった方がよいと考えたからである。また、演能、競馬および調馬の様子も主要な洛中洛外図や京名所図に描き込まれることが多いので同様に考えた。また、豊国祭礼図は作例は少ないが、慶長9年(1604)の特定事象を描いていることから、都市風俗図、祭礼図の展開にとって画期となるものとして重視した。また、厩図も定型的な縁側の風俗表現の成り立ちを考えるために重要なものとしてあげた。これらについて、国内調査をいくつか実行しながら、データ整備をほぼ終え、最終年度の準備を行った。ただ、祇園祭礼図および祇園祭礼の描かれた作品のデータは、あまりに数が多い上に、新規調査が必要なものも多く、次年度にやるべきことが多く残った。また、当初考えていた懐徳堂文庫の古画模本資料については予備調査の段階で、別途対象とすべきものと判断し、今回の調査対象から外した。
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