2007 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較:初・中等教育における外国語教育の諸相 -理念から教室の現場まで-
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18320091
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
吉島 茂 Seitoku University, 人文学部, 教授 (50011309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 秀夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90091389)
金森 強 松山大学, 人文学部, 教授 (90204544)
小泉 仁 東京家政大学, 文学部, 教授 (40411582)
菅 英昭 聖徳大学, 人文学部, 教授 (60234150)
志賀 淑子 聖徳大学, 人文学部, 准教授 (90235515)
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Keywords | CEFR / Portfolio / 一貫性 / クラス担任 / 専科教員 / 総合性(holism) / 人格(identity)形成 / 意識調査 |
Research Abstract |
1.外国語教育政策を担う理念:CEFRはヨーロッパ諸国ではそれぞれの言語の版が出ていて、その理念に基づいた指道要領が作成されている。アジアでは日本で、CEFRを取り上げる機会が多くなったが、その受容については議論がある。韓国ではオリジナルの英語版からでなく、ドイツ語版からの翻訳があるという。英語関係者の間の反響は今一つといえる。 2.CEFRの一方の車輪と言えるPortfolioは様々な版が工夫されているが、その実際の運用となるとヨーロッパも一通りではない。特に小学生用のPortfolioには問題がある。日本でもこれに刺激されて、導入を試みる所もある。その場合、小・中・高の英語教育を一慣性のあるものとすることが動機・目的にっている。 3.教授法:中国での教授法は古典的とも言え、対面授業がほとんどである。活動が取り入れられている場合でも、教科書の指示に従っているとの印象を受ける。大型画面持つコンピュータなど教室の整備は充実している。英語関係はヨーロッパなどとのコンタクトが少なく、新しい教授法の考え取り入れられていないようである。 4.訪問調査の結果、ヨーロッパとアジア(中国)の間には小学校における外国語の授業に対する基本的な態度に大きな差があることが判明した。ヨーロッパではクラス担任が外国語の授業をも持つように努力しているが、中国では専科教員が担当している。しかも英語以外の全ての教科も専科教員が受け持っているため、小学校教育の重要課題である総合性(holism)や基礎的人格(identity)形成の役割をどう位置づけているのか大きな疑問が出ている。この点については次年度の重要な研究対象とする予定である。 (1)小学生の意識と教員の意識調査を行ったが期待していたデータ数が得られず、さらなる検討、働きかけが必要なことが判明した。 (2)英語の絵本語彙調査:多くの絵本の入力が終わり、パイロット分析を行っている。
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Research Products
(9 results)