2008 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較:初・中等教育における外国語教育の諸相-理念から教室の現場まで-
Project/Area Number |
18320091
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
吉島 茂 Seitoku University, 人文学部, 教授 (50011309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 強 松山大学, 人文学部, 教授 (90204544)
岡 秀夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90091389)
長谷川 弘基 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (80306456)
大橋 理枝 放送大学, 教養学部, 准教授 (80337732)
藪中 征代 聖徳大学, 短期大学部・保育科, 准教授 (50369401)
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Keywords | 外国語教育 / 異文化理解・教育 / 指導要領 / 言語と文化 / 多文化状況 / 英語活動 / European Language Portfolio |
Research Abstract |
多文化状況が進んでいるヨーロッパでの外国語教育と、それが進んでいない日本やアジアの状況とでは、外国語教育を支える基本的理念に大きな差がある。ヨーロッパで十分とされる根拠も日本では説得性に欠ける。異文化理解(教育)と結びつけるヨーロッパの考え方は、単なる言語教育を超えて一般教養、人間形成の面を可能性としてもっている。事物を相対的(複眼的)に見る態度の養成に大きく貢献できるのである。これはヨーロッパでもまだはっきりと自覚されていない。日本ではそれを明確に意識することによって、小学校での外国語教育、外国語活動に明示的根拠、方向付けを与え、かつ他の教育領域とも連携・協調しながら、小学校教育を豊かにし、中等教育への準備教育としての機能も全うもできるのである。 ただ、この文化と外国語との関係づけは国によって大きく違う。中国では新しい指導要領で文化をも取り上げ、韓国では教育関係者が異文化理解を含めて、人格形成を考える。しかし一般市民、父兄がその理念を共有しているとは言えない。現場の教員にもその趣旨が徹底しているとは言えない。言語の実利的運用価値以上の理解がないのである。ヨーロッパでもEuropean Language Portfolioの取り扱いに見られるように、国家間でも大きな差がある。 その最大の理由は、言語教育と異文化理解・教育の統合が具体的な指導法、教材作りの面で非常に難しく、また現に未開拓の面が多いことにある。その点でも国、地域によって大きな差がある。「英語活動」の成否もまさにこの分野での開発の成功に掛かっている。
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Research Products
(25 results)