2008 Fiscal Year Annual Research Report
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18320101
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
吉川 聡 National Research Institute Cultural Properties, Nara, 文化遺産部, 歴史研究室長 (60321626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 晃宏 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 史料研究室長 (30212319)
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Keywords | 中村準一寄贈文書 / 興福寺 / 東大寺大勧進 / 東大寺再建事業 / 栄西 / 行勇 |
Research Abstract |
3年目の本年度は、引き続き新修東大寺文書聖教の中村準一寄贈文書の調査を続行し、新修東大寺文書聖教の98函・99函について、ラベル貼り・パソコンへのデータ入力を終了した。中村準一寄贈文書は、近世興福寺の唐院・新坊に仕えた中村家に伝来した資料群だが、今年度で、一通り最後まで調査したことになる。そしてまた、その中に存在する明治維新期の日記等について、一部の翻刻を行なった。中村準一寄贈文書については、今年度までで基礎的な整理は一応行なったので、その成果のとりまとめと、さらなる内容の検討が、今後の課題である。 また、新修東大寺文書聖教第2函1括1号については、従来、東大寺料国周防国文書集と呼称して検討を進めてきたが、今年度、更に詳しい検討を実施し、東大寺大勧進文書集と改称して、釈文・解説・論考を雑誌『南都仏教』に掲載した。この東大寺大勧進文書集は、鎌倉前期から中期、東大寺大勧進のもとに集積された文書集であり、東大寺大勧進・東大寺再建事業に関する基礎史料であると同時に、鎌倉中期の国衙・幕府・在地社会等に関する、興味深い内容を含んでいる。時期は初代大勧進である重源の没後、第二代の栄西、第三代の行勇の時期のものが大半を占める。今回の史料紹介により、それらの研究がますます進展することが期待される。 3年目の本年度は、中村準一寄贈文書の調査のメドがつき、東大寺大勧進文書集については研究成果の公表にこぎ着けた。今後は、中村準一寄贈文書の内容検討を更に進めると同時に、新修東大寺文書聖教のうち、本来東大寺に伝来していた資料群について、整理を進めていく必要があるだろう。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 関野貞日記2009
Author(s)
藤井恵介, 早乙女雅博, 角田真弓, 大西純子, 吉川聡, 黒岩康博, 清水重敦
Total Pages
844
Publisher
中央公論美術出版