2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18320103
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本郷 和人 東京大学, 大学院情報学環, 助教授 (80209311)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 文彦 放送大学, 教養学部, 教授 (60011326)
安田 次郎 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (60126191)
藤原 良章 青山学院大学, 文学部, 教授 (60173499)
鋤柄 俊夫 同志社大学, 文化情報学部, 助教授 (40319471)
近藤 成一 東京大学, 史料編纂所, 教授 (90153717)
|
Keywords | 歴史情報学 / 都市史研究 / 史料学 / 歴史地理学 / 考古史料 / 民俗史料 / 鎌倉 / 吾妻鏡 |
Research Abstract |
本研究は、これまで歴史学研究の素材として主として研究者により利用されてきた歴史史料が有する情報を「歴史情報」としてとらえ、中世史料学研究と中世都市研究の成果を踏まえつつ、歴史情報の蓄積と提供に関わる新たな方法を探るとともに、中世都市史研究に新たな段階を拓くことを目的としたものである。 本年度においては、とくに(1)文献史料研究班・(2)民俗史料研究班・(3)考古史料研究班の研究成果を踏まえた「中世鎌倉ヴァーチャルマップ」の基幹部分を開発し、一部を公開することに重点を置いて研究活動を行った。すなわち、平成15年度〜平成17年度科学研究費補助金「吾妻鏡と中世都市鎌倉の多角的研究」により作成・蓄積してきた情報をも利用しつつ、鎌倉市の1/100地図をデジタル化したベースマップを作成し、そこに発掘報告書の情報と地名にかかわる文献史料情報を落とす作業をすすめた。その結果、発掘報告書の情報については、鎌倉市教育委員会のご理解を得て、同委員会所蔵の発掘報告書をすべてデータベース化することができた。また、文献史料についても、鎌倉時代の都市鎌倉を探るための基本的な史料集である『吾妻鏡』・『鎌倉遺文』について、相模国内の地名が登場する史料のすべてをデータベース化した。以上の成果のうち、公開して差し支えの無いものについては、研究分担者鋤柄俊夫氏のWEBサイト(http://tsukigar.doshisha.ac.jp/)において公開した。 次に、文献史料に対するアクセスの可能性を飛躍的に拡大するための試みである『現代語訳 吾妻鏡』については、全体の1/4について下原稿を作成するとともに、2007年10月の第1冊刊行に向けて定期的に研究会を開催して研究を深めつつある。 また、歴史情報学を生かした中世都市史研究の方法を広く社会に問う場として、鎌倉市・鎌倉市教育委員会・鎌倉考古学研究所との共催でシンポジウム「中世都市鎌倉と極楽寺」を開催し、研究者のみならず市民の方も含めて200余名の参加を得て、所期の目的を達することが出来た。 以上の三点を基幹に、次年度以後の展開に向けて十分な成果を得た。
|
Research Products
(7 results)