2008 Fiscal Year Annual Research Report
近代グローバル化のなかの瀬戸内海地域-東アジア社会における外来と在来の視座から-
Project/Area Number |
18320108
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
勝部 眞人 Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 教授 (10136012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 嘉弘 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (00183046)
中山 富廣 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50198280)
河西 英通 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40177712)
木村 健二 下関市立大学, 経済学部, 教授 (60225034)
弁納 才一 金沢大学, 経済学部, 教授 (90272939)
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Keywords | 東アジア / 外来 / 資本主義化 / 在来 / 伝統的要素 / 地域的特質 / 瀬戸内海地域 |
Research Abstract |
本研究は、近代瀬戸内海地域を事例に、近代グローバル化=資本主義化・近代化のうねりのなかで、「在来」的要素がどう残存し新たな「在来」を形成していくかを、中国・韓国社会と比較しながらそれぞれの地域的特質を検討しようとするものである。 今年度は、前年度に引き続き農村社会に焦点をあてて議論していったが、綿織物業などの在来産業あるいは農業技術、さらには農民組織化の動き(産業組合・合作社・金融組合など)等の局面において、個人の自立性が強くムラとしての組織性が弱い中国、きわめて共同性が強く伝統的な組織性を持ちながら植民地化されていく朝鮮(韓国)、ムラとしての組織性が強い半面で個人の自立性が弱い日本…という仮説的見通しをもとに、社会経済史学会全国大会でパネルディスカッションを組織し得たことは大きな成果であった。ただし質疑のなかで、かなり個別的な議論に終わってしまったことも否定できないが、谷本雅之氏や木村健二氏から有益なコメントを得ることができたのも今後の方向を探るうえで意味があったと考えられる。 また来年度広島史学研究会大会シンポジウムを組織すべく現在準備を進めているが、日中朝各地域に琉球を加えて、外来と在来の問題を検討しているところである。たとえば藤本隆宏『日本のもの作り哲学』での現代日中韓3国の得意アーキテクチャの差といった議論を踏まえつつ、近代という歴史のなかで外来への対応においてそれがどう形成されていったのかを探っていきたい。
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Research Products
(14 results)