2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18320112
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
岩田 みゆき Aoyama Gakuin University, 文学部, 教授 (40365010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 悟 千葉経済大学, 経済学部, 客員教授 (20083107)
小島 孝夫 成城大学, 文芸学部, 准教授 (60286903)
|
Keywords | 漁村 / 漁民 / 漁業 / 海村 / 日本史 / 民具 |
Research Abstract |
2009年度は合同研究会3回と地域調査を実施した。(1) 合同研究会は、第1回は元農林水産省で戦後の漁業制度改革を推進した一人である小沼勇氏を招いて「漁業制度改革について」というテーマで実施した。第2回は中央水産研究所において、研究成果報告書の構想発表を参加者全員が行った。第3回は、元国会図書館専門調査員で漁業史研究の先駆者でもある二野瓶徳夫氏を招いて「漁業史研究における私が歩んだ道」というテーマで実施した。(2) 地域調査は、(1)駿河湾周辺では昨年度に引き続き静岡県松崎町の古文書調査を実施した。(2)伊勢湾周辺では熊野灘沿岸部まで範囲を広げた景観調査を実施した。(3)比較研究として、瀬戸内海沿岸漁村の民俗調査・歴史史料調査を数ヶ所、日本海沿岸漁村の史料所在調査を数ケ所実施した。この四年間の歴史・民俗・民具・水産調査研究によってあらたな課題も出てきており、地域間比較研究も含めてこれらの調査研究はまだ継続する必要がある。(3) 平成18年度から21年度の研究成果報告書を作成した。以上、(1)合同研究会を充実させ、(2)(1)から(3)の地域調査によってさらに新たな史料を発掘・収集するとともに、(3)成果報告書を作成し、ひとまずのまとめとした。本研究は、歴史学・民俗学・民具学・水産学の研究分野を異にする研究者が共同し、漁業・漁民・漁村の総合的研究を行い、日本人の伝統文化の特質を海からの視座から解明せんとするものである。そのためには、近代以降とくに戦後の環境変化・公害問題の中での漁村の急激な変化・衰退・消滅、資源問題・国境問題の中での漁業・漁民の位置など、現代がかかえる動向や諸問題をふまえた上で、沿岸部の集落の実態と特質を、それぞれが対象とする史資料の内部に立ち入って検討し歴史的に明らかにしていく必要があり、そこに本研究の意義がある。本研究はいまだ端緒についたばかりであり新たに出てきた課題も多い。今後も継続すべきテーマである。
|
Research Products
(16 results)