2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト冷戦期における「レジーム」の機能の再検討:核不拡散を事例として
Project/Area Number |
18330030
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒澤 満 Osaka University, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (10111709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 裕三 同志社大学, ビジネス研究科, 教授 (20239552)
浅田 正彦 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90192939)
倉田 秀也 杏林大学, 総合政策学部, 教授 (90225243)
石川 卓 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 准教授 (40308557)
秋山 信将 一橋大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (50305794)
|
Keywords | 核不拡散 / 核軍縮 / 北朝鮮 / イラン / 米印合意 / 核兵器 / 輸出管理 / IAEA保障措置 |
Research Abstract |
平成19年度における研究は、核不拡散レジームという共通テーマの下で個々人が研究を継続するとともに、6月には2日間の合宿を実施し、11月には米国モントレー国際大学不拡散研究センターの人々と2日間のワークショップを開催し、平成20年2月には外務省と意見交換を行った。 核不拡散レジームに含まれる個々の問題、すなわちNPT再検討プロセス、核軍縮の進展、北朝鮮問題、イラン問題、米印原子力協力協定、輸出管理の規制、原子力平和利用の制限などの研究を進めることにより、核不拡散体制がポスト冷戦期において大きく変化していること、法的規範のみならず、政治的な合意にもとづく規範が作られ、さらに一方的なさまざまな措置がとられていることが明らかになった。さらにこれらの研究を基礎として、それらの諸措置を合法性、正当性、実効性の側面から検討し、レジームの普遍性への影響、それによるレジームによる規範力の強化と弱体化などを検討した。 その結果、合法性および正当性を維持する措置はレジームの規範的な力を増大し、レジームの強化に有益であるが、短期の実効性のみを追求し、合法性や正当性を十分もたない措置は、普遍性の側面からも大きな問題があり、レジームの強化に悪影響を与えるという傾向が明白になっており、実効性のみならず、合法性か正当性を担保する必要があることが明らかにされている。
|
Research Products
(11 results)