2006 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本の植民地経験とアイデンティティ形成に関する比較教育文化史的研究
Project/Area Number |
18330168
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
駒込 武 京都大学, 教育学研究科, 助教授 (80221977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨山 一郎 大阪大学, 文学研究科, 助教授 (50192662)
板垣 竜太 同志社大学, 社会学部, 講師 (60361549)
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Keywords | 教育 / アイデンティティ / 植民地主義 / アイヌ民族 / 沖縄 / 奄美大島 / 在日朝鮮人 / フィールドワーク |
Research Abstract |
本年度は、帯広・京都・奄美大島で研究会を開催した。 2006年10月8日に帯広市で研究会を開催した。報告は、奥田統己(札幌学院大学・助教授)依頼し、研究代表者・研究分担者のほか、研究協力者として小川正人(アイヌ民族文化研究センター・研究職員)、鳥山淳(沖縄大学・非常勤講師)、谷本久晃(北海道教育大学岩見沢分校・助教授:)、本田優子(札幌大学・助教授)の参加を仰いだ。研究会においては今日のアイヌ民族をめぐる自己認識と他者認識について討論した。このほか、蝦夷文化考古館、北海道立公文書館、北海道大学図書館でアイヌ民族の歴史に関する資料調査を行った。 2007年1月13日には京都で研究会を開催、研究代表者・研究分担者のほか、小川正人、鳥山淳の参加を仰いだ。研究分担者である板垣竜太が戦後在日朝鮮人史について報告し、討議した。大阪府立中之島図書館および部落解放・人権研究所図書室において資料調査を行った。 2007年2月10日には、奄美大島の名瀬市で研究会を開催、研究代表者・研究分担者のほか、小川正人、鳥山淳の参加を仰いだ。報告は、奄美在住の郷土史家である佐竹京子に依頼し、主に戦後占領期における奄美・本土間の「密航」「密貿易」について議論した。11日には鳥山淳を報告者として研究会を開催、戦後の奄美大島と沖縄の関係について議論した。また、鹿児島県立図書館奄美分館・瀬戸内町立図書館で資料調査を行った。従来、奄美大島は「植民地主義」という文脈で考察の対象となってこなかったが、鹿児島県や沖縄との間の植民地主義的な関係について考察を深める必要性が明確となった。なお、当初の予定では、本年度は台北で研究会を開催する予定だったが、奄美大島での研究会の開催を優先したために、台北での会議は平成19年度以降に順延することとなった。 以上のような作業を通じて、歴史研究それ自体を深化させると同時に、いわばフィールドワーク的な手法をもってそれぞれの地域の現在の問題と向き合う人びととの討論を進めることの重要性をあらためて認識した。
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Research Products
(3 results)