2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
Comparative Study on the Relationship between Colonial Experience of Modern Japan and Identity Formation through Historical Approach on Education
Project/Area Number |
18330168
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Educaion
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
|
Project Period (FY) |
2006 – 2009
|
Keywords | アイヌ / 沖縄 / 奄美大島 / 台湾 / 朝鮮 / 植民地 / 教育 / アイデンティティ |
Research Abstract |
(1) 研究の目的本研究の目的は、(1) 学校教育の役割に着目しながら植民地経験とアイデンティティ形成をめぐる問題を比較史的に考察するとともに、(2) 近代日本の植民地主義に関して世界史的視野から比較研究を展開するための人的ネットワ-クを構築し、(3) 資料集の編集などを通じて多民族・多文化的状況への認識・感受性を広く社会的に共有していくことである。 本研究では、近代日本の植民地(「内国植民地」とされた北海道や沖縄を含めて考える)において「アイヌ」「沖縄人」「台湾人1「朝鮮人」というアイデンティティがどのように成立し、変容したのかを解明する。ここで、アイデンティティの成立に着国する理由は、政治的・経済的・社会的な力関係が眠族」や「文化」の問題とみなされるプロセス自体を検討する必要があると考えるためである。 植民地主義的な権力関係において学校教育は「民族的」な「文化」の問題に翻訳する装置としての役割を果た.したが、社会生活一般においては「文化」の問題には翻訳しきれない、多様な「植民地経験」--それは支配者にかかわる経験であると同時に、被支配者にかかわる経験でもある--が存在した。また、学校教育の中でも、日本語・日本文化という観念の純粋性を維持しようとするからこそ、そこに内在する複数性が顕在化することもある。本研究では、「植民地経験」が、「民族的」な「文化」の優劣に還元できない経験を包含するものであったことに着目しつっ、今日の多民族・多文化的な状況の中に植民地主義的な権力関係がどのように刻み込まれているのかということを解明することを目的とする。
|
Research Products
(5 results)