2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日比 孝之 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80181113)
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Keywords | グレブナー基底 / アルゴリズム / 計算可換代数 / 計算代数統計 / 計算代数解析 / 凸多面体 / マルコフ基底 / トーリックイデアル |
Research Abstract |
今後、我が国において、少なくとも5年以上の長期に亘って継続されるグレブナー基底の理論と実践に関する共同研究を、将来、永続的な国際共同研究に発展することを視野に入れ、計算可換代数、計算代数解析、計算代数統計など、複数の研究分野に属する研究者から構成される研究プロジェクトを組織し、永続性と国際性を考慮しつつ、グレブナー基底の理論的有効性と実践的有効性の探究を強力に推進し、我が国が当該研究分野の国際的な研究拠点となることを目指す、というのが本基盤研究の目的である。平成20年度は、平成18年度と平成19年度における研究成果を踏襲し、計算代数統計に現れるグレブナー基底の基礎理論の構築を強力に推進した。顕著な成果の一つに、従来のSegre--Veronese配置を一般化するnested configurationの概念を導入したことが挙げられる。Segre--Veronese配置のグレブナー基底は、大学入試センターの科目選択問題の統計学的な分析を、マルコフ連鎖モンテカルロ法を使って実施する際に本質的な貢献をしたが、nested configurationの概念は、グレブナー基底の理論を統計学に応用する範囲を著しく広げることを可能にした。加えて、計算代数統計に関連し、configurationがvery ampleとはならないことを判定する効果的な方法を開発し、分割表に現れる非正規なconfigurationがすべてvery ampleではないことを示すことに成功し、今後の研究の進むべき方向性の一つを提唱した。他方、グレブナー基底を代数的な勘と幾何学的な経験および手計算の腕力に頼って探す従来の原始的な方法を、何らかの創意工夫を凝らし、計算機のプログラムとして実装するための基礎的な準備を始めた。そのような実装の研究の進展は、最終年度の研究目標の一つである。
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Research Products
(4 results)