2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340030
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中木 達幸 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (50172284)
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Keywords | 流体 / 渦運動 / 移動境界問題、自由境界問題 / 数値解析 / 数学解析 |
Research Abstract |
連携研究者である大森克史氏(富山大学)、辻川亨氏(宮崎大学)、福本康秀氏(九州大学)、服部裕司氏(九州工業大学)、坂上貴之氏(北海道大学)、木村正人氏(九州大学)と連携し、流体の挙動を数理的な側面から解析することを目的として、次の成果を得た。 1.渦点問題:常微分方程式で記述される渦点と呼ばれる渦の挙動を考える。渦点の数値解の信頼性や新たな挙動についての成果を得、渦挙動解明に向けての意義と重要性がある。具体的内容は次のとおりである。5個の渦点の問題において、標準的なRunge-Kutta法による数値解の中に、数学的な構造を捉えてなく、幻影解であるものを見つけた。球面4点渦において非自己相似衝突解を発見した。球面点渦のカオス的挙動に関する薪たな挙動を見つけた。 2.渦層、渦輪、渦領域の問題:渦点と異なり、これらの渦の挙動には空間的要素も考慮すべきで、偏微分方程式で記述されるため、解析は一層困難である。しかし、ある特殊な状況下での挙動を決定したことに意義と重要性がある。具体的には、ある極限での渦輪の渦度分布の表現、ある初期状態の渦輪の運動速度と渦輪が消滅するまでの移動距離の決定、らせん渦における短波長安定性解析と呼ばれる手法による曲率不安定性の存在、である。 3.1〜2種類の流体問題:渦挙動以外のいくつかの流体問題の数学的結果や数値手法に関する結果を得、これらの流体解析に寄与したことに意義と重要性がある。具体的内容を次に列挙する。多孔質媒体の中の流体の存在領域に関する結果を得た。油田の中で石油を押し出すときに現れる移動境界を捉える数値解法の1つを構成した。2流体問題の数値計算において、高粘性比の問題への適用の可能性を探るための結果を得た。自由境界問題の数値シミュレーション開発のために、平面内曲線運動をテーマに、有効な離散点配置が可能となる方法についての成果を得た。
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