2009 Fiscal Year Annual Research Report
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18340030
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中木 達幸 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (50172284)
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Keywords | 流体問題 / 渦挙動 / 渦形成 / ハミルトン系 / 衝突解 / 弱非線形安定性 / 曲率不安定性 / 移動境界 |
Research Abstract |
流体の挙動を数理的な側面から解析することを目的で以下のとおり実施した。 1. 渦点問題:平面上の5つの渦点の有限時間衝突問題に関して、数値的な観点からの考察を含め、自己相似的な衝突解の理論的な結果を得た。また、球面三点・四点渦系の衝突問題について平岡による平面衝突多様体の構成を応用することを試みた。その結果三点渦の場合は平面と同相な多様体の構成が可能であることがわかった。四点の場合は現在も研究が進行しておりこの研究によって4点渦の場合に特有の非自己相似的な衝突解の特徴付けが可能になると思われる。 2. 渦層、渦輪、渦領域の問題:渦管の楕円型不安定性の弱非線形発展を調べた。ラグランジュ変位を用いることによって、Kelvin波の自己非線形相互作用によって誘導される振幅について2次の平均流を計算することに成功し、これらを擬運動量として特徴づけた。この平均流を用いると、3次まで振幅方程式がハミルトン的標準形の形に直接導かれ、その係数をすべて決定した。その結果、従来のオイラー的記述の枠組みで得られた振幅方程式が不完全であることを明らかにした。また、太い渦輪の線形安定性を短波長安定性解析により調べた。細い渦輪と同様に曲率不安定性や楕円型不安定性が存在する他に、第3の不安定性が存在することを発見した。軸流の効果について論じた。 3. 1~2種類の流体問題:流体問題における移動境界問題の数値解法の開発のため、特異極限を用いた方法の研究を行った。また、問題特有の性質を保存する多角形版移動境界問題のクラスを考察し、その2次精度時間離散スキームを提案した。 なお、本研究は6名の連携研究者大森克史氏(富山大学)、辻川亨氏(宮崎大学)、福本康秀氏(九州大学)、服部裕司氏(東北大学)、坂上貴之氏(北海道大学)、木村正人氏(九州大学)の協力の下で実施された。
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