2008 Fiscal Year Annual Research Report
素粒子研究の未来開拓を目指す百万トン級水チェレンコフ検出器の開発とその国際的展開
Project/Area Number |
18340073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩澤 真人 The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 准教授 (70272523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 真 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (10272519)
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Keywords | 宇宙線 / 国際協力 / 素粒子実験 |
Research Abstract |
本研究では、素粒子研究の未来開拓を目指し、百万トン級の水チェレンコフ検出器建設を立案るにあたり、期待される物理の成果を最大限保ちつつコスト及び建設期間を縮小するために、必要な測定器のデザインの最適化を行うことを目的にする。また国際会議等において、世界中の同様のR & Dに関する情報交換を行い、デザインにフィードバックをかける。 昨年度は陽子崩壊のさらなる感度向上とバックグラウンド低減を目指し、コンパクトで可動な水透過率測定装置の開発を行った。長期安定性が期待されるレーザーダイオードを光源として選択し、測定装置のデザインを行い、実際にプロトタイプの製作を行った。今年度にはスーパーカミオカンデ検出器にプロトタイプを導入し、大型検出器において要求される高精度透過率測定の可能性を示したい。 並行して検出器建設候補地(地下)における岩盤の応力分布の測定と、検出器を設置する大空洞の安定性解析の見直し、掘削ずり(掘り出した岩盤)の運搬方法・廃棄場所の検討、水槽の建設手順の検討も行った。いずれも技術的な大問題はなく、本計画の実現可能性は高まったといえる。また国際会議や米国での同様の実験計画(DUSEL計画)の視察と情報交換も行ない、より激化する競争の現実を認識した。 以上を総合して、百万トン級水チェレンコフ検出器の概念設計のベースが揃ったと言える。今後は細部を詰めながら具体的な実験計画を早急に文章化していく予定である。
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Research Products
(4 results)