2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340115
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松下 貢 Chuo University, 理工学部, 教授 (20091746)
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Keywords | パターン形成 / 細菌 / 結晶成長 / フラクタル / べき乗分布 / 対数正規分布 |
Research Abstract |
自然界に見られるパターンは多種多様であるが、それらには構造的にも統計的にも何らかの規則性・普遍性が隠されていることが多い。本研究はその解明を目指している。本年度の研究実績は主として2種類に分けられる: 1. バクテリアは培地の固さと栄養濃度に応じて多彩なコロニーパターンを形成する。今年度は主として大腸菌の走化性及び大腸菌とプロテウス菌の周期的コロニー成長の特性の定量的測定を行った。大腸菌とプロテウス菌の周期的コロニー成長に関して、共焦点レーザー顕微鏡を駆使して、菌密度の時間的空間的変化を追い、周期的成長のダイナミクスを調べた。また、大腸菌のコロニー形成に走化性が効いていないことを見出した。 2. 自然界、社会に見られる系はほとんど例外なく複雑系である。複雑系での統計性はべき乗分布と対数正規分布で特徴づけられることが多い。しかし、本研究で私たちは、複雑系では対数正規分布がより基本的な分布関数であることを基礎付けし、多くの例を提示した。さらに、市町村人口分布の時間変化に見られる特徴を明らかにした。また、ガウス分布の典型とされてきた私たちの身長分布でさえ、対数正規分布がよりよいこと、ただし思春期の2年ほどだけはガウス分布の方がよりよくフィットすることを見出した。身長の平均値は直立歩行への進化が強く影響して遺伝的に強く制限されるが、平均値の周りの分布は人体が成長する複雑系であるために対数正規分布を呈する。一方、体重は横方向の成長が効き、遺伝的な影響が少なく、対数正規分布がはるかによくフィットする。
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Research Products
(19 results)