2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリカル型装置におけるアルフベン固有モードの高エネルギー粒子輸送に対する影響
Project/Area Number |
18340189
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
長壁 正樹 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (90280601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹入 康彦 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60179603)
藤堂 泰 核融合科学研究所, シミュレーション科学研究部, 教授 (00249971)
永岡 賢一 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教 (20353443)
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Keywords | プラズマ・核融合 / アルフベン固有モード / 高速イオン異常輸送 / 磁場閉じ込め核融合 |
Research Abstract |
平成20年度は、主にE//B-NPAの性能強化、特に計測の高時間分解能化に重点をおいて研究を進めた。E//B-NPAは、プラズマから飛来する中性粒子をガスセルにおいてイオン化し、その後ろに配置した電磁石が発生する磁場によって粒子のエネルギー弁別を行う。磁場によって、エネルギー弁別されたイオンは、それぞれ個別の計測素子によって計測され、75個のエネルギーチャンネルを持つ。通常は、75チャンネルを1個おきに、39チャンネルを使用して、プラズマから飛来する高速中性粒子のエネルギースペクトルを計測し、36チャンネルは未使用となっている。E//B-NPAの高時間分解能化にあたっては、まず従来の計測回路を0.1msという高速サンプル動作さえることを試みた。このことによって、バースト状に発生したアルフベン固有モード(AE)によって、高速イオンのエネルギースペクトル状に、"穴"と"突起"が生成し、この"穴"のエネルギーが時間とともに上昇していく現象が観測された。さらなるに、高時間分解能化として、未使用の36チャンネルを束ねて、3チャンネル(高・中・低エネルギーチャンネル)とし、1MHzのサンプルレートでの信号の電流計測を試みた。この結果、AEバースト発生中に、高速中性粒子束がバーストと同一の周波数で振動する現象が観測された。この観測から、高エネルギーチャンネルの信号の位相が中エネルギーのチャンネルのそれよりも20μsecほど早く、AEバーストによる高速イオンの異常エネルギー減速が示唆された。 これらの手法によって、AEバースト発生中に、高速イオンのエネルギースペクトルが変化してることが世界で初めて実験的に明らかになった。今年度は、観測結果とシミュレーションによる理論予測との比較検討を行い、研究のまとめ作業をおこなう予定である。
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