カーボンナノチューブのバリスティック伝導性を利用した高輝度スピン偏極電子源の開発

2007 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18360023
• Research Institution: Mie University
• Principal Investigator: 畑 浩一 Mie University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30228465)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐藤 英樹 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40324545) ; 清水 哲夫 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (40357215)
• Keywords: スピン偏極電子源 / 電界電子放出 / スピントロニクス / ハーフメタル / ホイスラー合金 / 強磁性体 / カーボンナノチューブ

Research Abstract

昨年度試料冷却機能の増設改造を行ったSpin-FEM装置を用いて,CVD法で直接合成した多層カーボンナノチューブ(CNT)および,フェルミ面上での電子スピンが理論的に100%偏極しているハーフメタルCo_2MnSi薄膜をスパッタ堆積したタングステン電界放射陰極からの電子のスピン分析を行った。その結果,CNTでは,期待されるスピン偏極が観測されなかった。これはCVD成長したCNTの結晶性が悪いためバリスティックな伝導距離が短く,注入された電子スピンが保存されるコヒーレント長が著しく短いためと思われる。Co_2MnSi薄膜では試料に依るが自発分極磁化について試料に依り10-46%の偏極度が室温で観測され,また,600-800Kの試料アニールとその後の強制磁化により,分極度の更なる向上が観測された。

Research Products

• [Journal Article] Spin polarization of Field Emitted Electrons from Ferromagnetic Half-metallic Heusler Alloy Co_2MnSi
  • Author(s): Shigekazu Nagai, Yuji Fujiwara, Koichi Hata
  • Journal Title: Surface and Interface Analysis (印刷中)
  • Peer Reviewed
• [Presentation] 電界放出型高輝度スピン偏極電子源の開発III-Co_2MnSi薄膜のアニール・磁場印加によるスピン偏極度の向上 (2008)
  • Author(s): 永井 滋一, 藤原 裕司, 畑 浩一
  • Organizer: 第55回応用物理学関係連合講演会
  • Place of Presentation: 日本大学
  • Year and Date: 2008-03-27
• [Presentation] Spin polarizationo f FieldE mitted Electrons fromF erromagnetic Half-metallic Heusler Alloy Co_2MnSi (2007)
  • Author(s): Shigekazu Nagai, Yuji Fujiwara, Koichi Hata
  • Organizer: 6th International Symposium on Atomic Level Characterizations for New Materials and Devices '07
  • Place of Presentation: Kanazawa Art Hall, Japan
  • Year and Date: 2007-10-30
• [Presentation] 電界放出型高輝度スピン偏極電子源の開発II-ハーフメタル強磁性体Co_2MnSiからの電界放出電子のスピン偏極度 (2007)
  • Author(s): 永井 滋一, 藤原 裕司, 平山 学, 畑 浩一
  • Organizer: 第54回応用物理学関係連合講演会
  • Place of Presentation: 青山学院大学
  • Year and Date: 2007-03-29