2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム系フラックスで育成した大型窒化ガリウムバルク結晶の伝導性制御
Project/Area Number |
18360149
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 勇介 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90252618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 康夫 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70444560)
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Keywords | Naフラックス / 高純度育成 / 不純物ドーピング / バルク / 低転位 |
Research Abstract |
GaN単結晶育成において、転位密度10^4cm^<-2>オーダーが容易に達成され、ロッキングカーブ半値幅が50arcsec以下であることが分かっているNaフラックス法の実用化のために大型装置を開発し、導電性制御技術の確立に向けて高純度Naを用いたGaN単結晶育成を行った。 (1)大型結晶育成装置の開発:結晶を2inchまで大型化するために、装置の大幅な改良を行った。装置構造から見直し、新たな不純物対策を行うことで、5Nの窒素ガスを汚染されることなく育成部へ供給できるようにした。これによって坩堝壁上への核発生が大幅に抑制された。 (2)2インチ結晶の育成:15mm角の結晶育成においては、転位の多いMOCVD-GaN薄膜基板上にLPE成長させた場合でも、転位密度が大きく減少することが分かっていたが、一般的に大型の結晶を育成した場合には、結晶の反りなどの影響を受けやすいという問題がある。改良した大型結晶育成装置を用いて2インチのLPE成長を行った結果、クラックなどが発生することなく、約1.5mmの膜厚のGaN結晶を育成することに成功した。 (3)2インチ結晶の評価:初めてNaフラックス法によって育成された2インチGaN結晶の特性評価を行った。その結果、転位密度は2.3×10^5(cm^<-2>)と極めて低いこと、さらに、Na取り込み量については、10^<14>(cm^<-3>)オーダーと極めて低い不純物取り込みレベルであることが分かり、今後の導電性制御に向けた下地作りを完了した。
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