2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規創製多孔中空糸膜を用いたキャリヤー輸送膜ーガス吸収ハイブリッド化法の設計開発
Project/Area Number |
18360375
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松山 秀人 神戸大学, 工学部, 教授 (50181798)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 直人 神戸大学, 工学部, 教授 (50223954)
曽谷 知弘 神戸大学, 工学部, 技術専門職員 (10397797)
|
Keywords | 促進輸送膜 / 中空糸膜 / ガス吸収法 / キャリヤー輸送膜 / 二酸化炭素分離 |
Research Abstract |
本研究では、新しいタイプのキャリヤー輸送膜とガス吸収法のハイブリッド化について検討を行った。本法では中空糸膜の原料側(高圧側)に原料ガスとキャリヤー溶液(吸収液)を供給し、ガスを吸収した液を透過側(低圧側)に透過させて溶存ガスを放散させて回収する。本法では、膜は常にキャリヤー溶液と接触するので高い安定性が達成できる。 実験 中空糸膜には市販のPES膜と、研究室で作製したPVDF膜を用い、8本挿入した膜モジュールを作製した。原料ガスにはCO_2/CH_4混合ガス(CO_2:50mol%)を、キャリヤーには4M-DEA水溶液を用いた。液、ガス両方をモジュール下部から膜内側に大気圧下で供給し、シェル側を減圧に保った。膜を透過せずにモジュール上部から排出された液はモジュールのシェル側に供給される。 結果及び考察 CO_2透過速度R_<CO2>、CO_2回収率に対する温度と透過側圧力P_<T,S>の影響を検討した結果、P_<T,S>の増加とともにR_<CO2>、CO_2回収率がともに減少した。これは透過側CO_2分圧の増加により推進力が減少することによる。また、温度の増加とともにR_<CO2>、CO_2回収率がともに増加した。これは温度が増加するとCO_2とアミンの反応速度が増し、さらにCO_2の放散速度も増すためである。この条件での選択性は350〜800、回収ガスのCO_2純度は99.4〜99.9%と高かった。 また、CO_2回収速度Q_<CO2>[kg/h]、および1kgのCO_2を回収するに要する全エネルギー消費量E_T[kWh/kg-CO_2]に対する中空糸膜内径および透過側圧力P_<T,S>の影響を検討した。中空糸膜の内径が増加すると圧力損失が減少してブロアー動力も減少し、これがE_Tの減少につながることが明らかとなった。従って、内径の大きな中空糸膜の使用はCO_2回収エネルギーの低減に有効であることがわかった。
|