2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子を基盤とした新規ナノ触媒の構築とこれを用いた光水素発生反応
Project/Area Number |
18360386
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大倉 一郎 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (90089821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 則行 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助手 (40401559)
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Keywords | シトクロム / ヘム / ポルフィリン / 光励起電子移動 |
Research Abstract |
18年度は研究計画に従いアポ型シトクロムc_3の調製を行い、その性質を調べた。シトクロムc_3の4種類のヘム(ヘムI、ヘムII、ヘムIII、ヘムIV)の中からヘムIを選択的に除去したアポ型シトクロムc_3(ΔhemeIシトクロムc_3)の調製に成功した。また、ΔhemeIIシトクロムc_3,ΔhemeIVシトクロムc_3の調製にも成功した。 本研究で用いたシトクロムc_3は、硫酸還元菌Desulfovibrio vulgaris(Miyazaki)株由来である。4つのヘムは周辺アミノ酸のシステインとチオエーテル結合しているC型ヘムである。そこで、システインをアラニンに置換しヘムIを欠落させることを試みた。 第一段階として、シトクロムc_3の遺伝子情報を持つプラスミドを宿主Shewanella Oneidensis株に導入した結果、シトクロムc_3が発現したことを確認できた。次に、ΔhemeIシトクロムc_3分離精製し、質量分析で同定した結果、予想される分子量と一致した。 精製ΔhemeIシトクロムc_3の吸収スペクトル、円二色性スペクトル測定をおこなった。この結果、酸化状態、還元状態共に野生型シトクロムc_3とほぼ同様であったことから、ヘムIを選択的に除去してもタンパク質の立体構造が保たれていることがわかった。さらに、精製ΔhemeIシトクロムc_3の電子伝達機能を調べ、酸化還元タンパク質として機能することが確かめられた。以上の結果から、亜鉛ポルフィリンを挿入することで、シトクロムc3に光増感作用を付与できることが期待される。
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Research Products
(6 results)