2006 Fiscal Year Annual Research Report
Origami概念による臓器をつくるプロセスの確立
Project/Area Number |
18360392
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新海 政重 東京大学, 大学院工学系研究科, 講師 (70262889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長棟 輝行 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (20124373)
竹澤 俊明 農業資源研究所, 遺伝子組換え家畜研究センター, 主任研究員 (50301297)
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Keywords | 再生工学 / 組織工学 / 臓器移植 / 細胞外マトリクス / 医用材料 / 細胞表層工学 |
Research Abstract |
(1)完全皮膚組織および肝小葉の展開図の作成 肝小葉構造を作るための展開図を数種作成した。肝小葉は毛細血管と胆管の放射状構造からなり、この小葉が多数並び門脈と中心静脈とに連結されている。このため、まず門脈が多数分岐する構造と肝小葉構造および中心静脈へと集合する構造とに分解して展開図を考えた。18年度は上記構造の構築をふまえ、より単純化したモデルとして完全皮膚組織の展開図作成を行い、組み立て方法を検討し、動脈および静脈と毛細血管との結合の誘起などについて考察した。 (2)細胞外マトリクスを構成する機能性ペプチドと基本骨格ペプチドの設計と合成 細胞外マトリクス分子中に同定されているRGD(Arg-Gly-Asp)配列の他、コラーゲンの基本アミノ酸配列GXYやエラスチンの基本配列VPGVGペプチドを化学合成し、基本骨格ペプチドの生産を行ったが、収率が低いためこの方法での細胞外マトリクス合成を断念し、ゼラチンを主骨格として、架橋度の変化により新たな細胞外マトリクスを調整を試みた。 (3)高機能化ビトリゲルの調製 コラーゲンビトリゲル表面にマトリゲル、コラーゲンタイプIなどのゲルを重層あるいは塗布した傾斜構造を持つ高機能化ビトリゲルを調製した。 (4)細胞転写技術を用いた角化細胞、毛根細胞、肝細胞のパターニング 18年度は細胞転写技術を角化細胞、繊維芽細胞、平滑筋細胞、血管内皮細胞などのヒト正常細胞に適用した。 その結果、どの細胞種においても高効率に転写できる条件を見いだすことができた。また同時に複数の細胞種を転写できることも確認した。さらに(3)で調製した高機能化ピトリゲルシートに転写することで細胞のシート上での自発的な組織化を誘導制御できることを確認し、様々なパターンを得ることが可能になった。
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