2006 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの花成から花芽形成にいたる過程の分子解剖
Project/Area Number |
18370018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 崇 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00273433)
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Keywords | 植物 / 花成 / 光周性 / 情報高分子 / シグナル伝達 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
(1)FD依存の経路の解析に関しては、fd変異体の遺伝解析・表現型解析をほぼ終了し、論文公表の準備段階に入った。(2)FD非依存の経路の解析に関しては、FT : GR融合蛋白質の核内移行により発現が制御される遺伝子の探索を進め、いくつかの候補遺伝子を得た。(3)FT遺伝子産物の葉から茎頂への移動の証明に関しては、可能なすべてのコドンを同義コドンに置換した合成FT遺伝子(synFT)をつくり、これを種々のプロモーターの制御下で発現する形質転換植物を作出した。これらのうち、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター(35S :: synFT)およびシロイヌナズナの熱ショック蛋白質プロモーター(HSP :: synFT)の制御下でsynFT遺伝子を発現する形質転換植物を解析に用いた。まず、35S :: synFT形質転換植物をft変異体に接ぎ木し、ft変異体の遅咲き表現型が部分的に回復することを確認した。次に、HSP :: synFT形質転換植物の一枚の本葉を熱処理し、synFT遺伝子の発現が誘導され、それに伴って花成の促進がおこることを確認した。これらの結果はsynFT遺伝子が長距離作用能を持つことを示しており、FT遺伝子の長距離作用能にはmRNAの塩基配列(と構造)は必須でないことを意味する。一方、FT : EGFP蛋白質を発現させた形質転換植物を用いた接ぎ木実験から、FT : EGFP融合遺伝子ではFT遺伝子の長距離作用能が失われることがわかった。これらの結果を総合し、FT蛋白質が葉から茎頂へ輸送される、生理的に意味のある実体であるという結論にいたり、現在、論文を投稿中である。
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[Journal Article] Morphological variation in leaf shape in Ainsliaea apiculata with special reference to the endemic characters of populations on Yakushima Island, Japan.2007
Author(s)
Tsukaya, H., Tsujino, R., Ikeuchi, M., Isshiki, Y., Kono, M., Takeuchi, T., Araki, T.
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Journal Title
Journal of Plant Research 120(印刷中)
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[Journal Article] Molecular basis of late-flowering phenotype caused by dominant epi-alleles of the FWA locus in Arabidopsis.2007
Author(s)
Ikeda, Y., Kobayashi, Y., Yamaguchi, A., Abe, M., Araki, T.
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Journal Title
Plant & Cell Physiology 48・2, 4
Pages: 205-220, 562
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[Journal Article] Increased frequency of homologous recombination and T-DNA integration in Arabidopsis CAF-1 mutants.2006
Author(s)
Endo, M., Ishikawa, Y., Osakabe, K., Nakayama, S., Kaya, H., Araki, T.ほか6名
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Journal Title
EMBO Journal 25・23
Pages: 5579-5590
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