2007 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド・ビルトイン型キノン補酵素の生合成機構と触媒機能
Project/Area Number |
18370043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷澤 克行 Osaka University, 産業科学研究所, 教授 (20133134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 俊英 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (10247968)
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Keywords | 銅アミン酸化酵素 / トパキノン / ビルトイン型キノン補酵素 / キノヘムプロテイン / 分子内チオエーテル架橋 / 翻訳後修飾 / X線結晶解析 / 酵素解媒機構 |
Research Abstract |
銅含有アミン酸化酵素は、種々の一級アミン類の酸化的脱アミノ反応を触媒する酵素であり、多くの動植物、微生物に存在している。本酵素の活性中心には2価銅イオンとビルトイン型キノン補酵素TPQを含有する。我々はこれまでに、前駆体タンパク質中のTyr残基が銅イオンの存在下で自己触媒的に酸化されてTPQに変換されることを明らかにしてきた。一方、コラーゲンやエラスチンなどのタンパク質中のLys残基を酸化して分子間架橋反応を触媒するペプチジルリジン酸化酵素にも、Tyr残基由来のキノン型補酵素(LTQ)が見いだされている。LTQは、キノン環のC-2位に同一タンパク質内のLys残基のアミノ基が共有結合して分子内架橋構造をとっている点でTPQと異なる。本年度は、LTQの生成機構を解明する手がかりを得ることを目的として、銅アミン酸化酵素の触媒基であるAsp残基(D298)を部位特異的変異導入によりLys残基に置換し、キノン補酵素生成に及ぼす影響を検討した。均一に精製したD298K変異型酵素の前駆体タンパク質を中性pH、好気的条件下で銅イオンと反応させたところ、反応の初期過程ではTPQに由来する485nmの吸収ピークを示す野生型酵素と同様のスペクトルを生成したが、時間とともに吸収ピークは短波長側(450nm)にシフトした。また、pH10以上の溶液中では、長波長側(525nm)に吸収ピークをもつ発色団が生成した。450nmの発色団は、キノン染色で検出されることから何らかのキノン化合物であると考えられた。さらに、共鳴ラマンスペクトルはTPQとかなり異なり、むしろLTQに近かった。これらの結果より、D298K変異型酵素ではK298のε-アミノ基がドパキノン中間体またはTPQのC-2位を攻撃してLTQもしくはLTQに類似したキノン体を生成すると考えられた。
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[Journal Article] Trapping of a Dopaquinone Intermediate in the TPQ Cofactor Biogenesis in a Copper-containing Amine Oxidase from Arthrobacter globiformis.2007
Author(s)
Moore, R. H., Spies, M. A., Culpepper, M.B., Murakawa, T., Hirota, S., Okajima, T., Tanizawa K., and Mure M.
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Journal Title
J. Am, Chem. Soc. 129
Pages: 11524-11534
Peer Reviewed
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