2009 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒を用いた閉鎖系貯蔵システムの開発とエチレンアレロパシーの抑制
Project/Area Number |
18380017
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西澤 隆 Yamagata University, 農学部, 教授 (10208176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 渉 山形大学, 農学部, 教授 (50192761)
村山 秀樹 山形大学, 農学部, 教授 (40230015)
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Keywords | 光触媒 / エチレン / 二酸化炭素 / 酸素 / 青果物 / 貯蔵性 / 糖 / メロン |
Research Abstract |
平成18~21年の4ヵ年に渡る取り組みの結果,光触媒を用いた青果物の貯蔵システムについて,基本的な構成をほぼ確立することができた.また,この間学会発表等に於いて,その成果を随時公表し,実用的なレベルまでこぎつけることができた.特に低温での貯蔵が困難な熱帯性の果実については,光触媒を用いた貯蔵システムの利用に今後大きな期待が持たれることが明らかとなった.一連の研究成果については,平成22年3月に,タイ国チェンマイ大学に於いてポストハーベストセッションを開催し,研究発表を行った. 新たな取り組みとして,マンゴーの貯蔵障害軽減についての基礎的な研究を行った.リンゴでは低温貯蔵中における果皮の褐変障害にαファルネセンの酸化による共役トリエンの蓄積が関与していることが知られているが,マンゴーの低温貯蔵中における果皮の褐変障害にも同様の要因が示唆され,一部にエチレンの関与も示唆されたことから,今後は光触媒を用いてマンゴーの低温貯蔵障害を軽減させる方法に取り組む予定でいる. 光触媒を用いた貯蔵環境の改善では,貯蔵庫内のエチレンを除去することはできるが,一旦クライマクテリックに入った果実のエチレン生成能力を低減させることはできなかった.そのため,エチレンによるアレロパシーを防ぐことはできても,エチレン発生源を除去しない限り,完全な貯蔵システムを確立することは困難であった.したがって,今後は同システムをエチレン生合成阻害剤などと併用することにより,より効果の高い貯蔵システムの開発に取り組む必要があると考えられた.
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