2006 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池、電解酸化の融合による窒素分解型メタン発酵システムの創製
Project/Area Number |
18380145
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
梅津 一孝 帯広畜産大学, 大学院畜産学研究科, 教授 (20203581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 一高 神戸大学, 大学院農学研究科, 助手 (50396256)
渡辺 恒雄 首都大学東京, 都市教養学部, 名誉教授 (90240499)
高橋 潤一 帯広畜産大学, 大学院畜産学研究科, 教授 (20111198)
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Keywords | 環境技術 / 環境調和型農林水産 / 再生可能エネルギー / 廃棄物再資源化 / 農業工学 |
Research Abstract |
(1)電解酸化法による消化液含有COD・窒素低減法の確立 電解酸化法に関しては、COD(有機物)とアンモニア性窒素両方の低減を両立させる電解条件について検討を行った。具体的にはOHラジカルが電極表面に物理吸着する不活性酸化物電極と吸着が抑制される活性酸化物電極によるCOD、窒素への低減特性比較を実施した。電極はDSA(Dimensionally stable anode)Ti/PbO_2を用いた。 (2)メタン発酵消化液の固液分離-電解前処理技術の確立- 余分な懸濁成分が含有していると、電解酸化における電流効率の低下を引き起こすだけではなく、大量の泡が発生することが消化液を用いたビーカー実験で判明した。消化液の電解酸化を行うためには、メタン発酵消化液に適した固液分離法の確立が不可欠である。そこで、実際に畜産糞尿を投入してメタン発酵リアクタの運転を行い、排出された消化液の固液分離法を検討した。検討の結果、通常のメンブランフィルタのみでは不十分で、他のフィルタとの組み合わせが必要であることが明らかとなった。 (3)水素回収型廃水処理用電解酸化セルの開発 消化液を対象とした場合の反応の効率向上方法としてアノード材料といった電解条件に加え、電解工業的な技術を導入した隔膜付き電解セルを使用した。イオン交換膜を用いてアノードとカソードを隔てることにより、電解によって生成された酸化剤をアノード側に抑止させることができるため、反応の効率向上が期待できることが明らかとなった。メッシュタイプのアノードおよびカソードを利用して電極間をゼロギャップに近づけ、溶液抵抗の削減を図った。また、カソード側で発生した水素を回収し燃料電池へ戻送できるプロセスを模索した。廃水処理用電解セルから回収した水素で燃料電池を動作させるシステムの構築を試みた。本実験に結果、電解セルにおける溶液フローおよびイオン交換膜の種類によって、カソード側で生成するガスに水素以外の物質が混入することが明らかとなった。不純物が混じったカソード生成水素ガスによる燃料電池の性能試験を行う実験装置の試作を行った。
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