2009 Fiscal Year Annual Research Report
高速・高密度遺伝子同定法によるキャップ非依存性翻訳制御因子群の探索
Project/Area Number |
18380197
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
平塚 和之 Yokohama National University, 環境情報研究院, 教授 (30202279)
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Keywords | シロイヌナズナ / レポーター遺伝子 / 遺伝子発現制御 / 翻訳制御 / 転写 / ハイスループットスクリーニング |
Research Abstract |
一連の研究で確立した遺伝子発現定量法の高性能化を図る目的で、高等植物細胞に導入した多色発光レポーターと、ウミシイタケルシフェラーゼを併用した3レポーター同時計測系による発現定量法を開発した。それを用いて、Nepovirusの一種であるArabis mosaic virusの5'UTRが特異なIRES活性を有することを見出した。この翻訳制御配列は、IRESとして機能するが、上流側に配置されたORFの翻訳活性を顕著に向上させる機能を有しており、多重遺伝子発現系への応用が考えられる。さらに、詳しい分子解剖実験の結果、この配列の前半にIRES活性が、後半部分に上流配列翻訳効率向上活性が所在することなどを明らかにし、一連の機能同定実験の結果を基にして、特許出願を行った。シロイヌナズナのIRES活性変異体のひとつは原因遺伝子候補が同定され、その機能解析を進めた。機能を証明するには多くの遺伝子導入植物の作成と解析が必要であるため、さらに慎重な検討を継続中であるが、外来遺伝子の高レベル発現を可能にする技術としての応用価値は高いと判断する。一方、多色レポーターを導入したシロイヌナズナを利用した変異体スクリーニングと、化合物ライブラリースクリーニングを本格的に実施し、それぞれ興味深い結果が得られている。具体的な結果を公表するまでには至らなかったが、近日中に論文発表したいと考えている。特に、化合物スクリーニングに関しては、遺伝子発現の様々な段階に作用する新規物質の同定が可能であると考えられるので、抗ウイルス剤のほか、外来遺伝子発現の高効率化に有効な培養添加剤などの開発にも繋がることが期待される。
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Research Products
(4 results)