2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性臓器疾患に対する施灸効果の分子生物学的研究
Project/Area Number |
18390210
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
臼田 信光 Fujita Health University, 医学部, 教授 (30135123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 和雄 (財)国際科学振興財団, 研究所長 (70110517)
杉山 敏 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50340229)
渡 仲三 藤田保健衛生大学, 医学部, 客員教授 (40079976)
中井 さち子 藤田保健衛生大学, 医学部, 研究員 (30257836)
深澤 元晶 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (70387728)
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Keywords | 東洋医学 / 灸 / 糖尿病 / 分子生物学 / DNAマイクロアレイ / 蛍光ディフェレンシャルディスプレイ / ドーパミン / 報酬効果 |
Research Abstract |
【目的】 糖尿病モデル動物の全身の臓器について、蛍光ディフェレンシャルディスプレイ法により網羅的に遺伝子解析を行い、糖尿病の発症と施灸治療により変動する遺伝子を同定・解析する。さらに単一遺伝子的な解析により栄養素代謝に関わる遺伝子を解析する。形態学的な検索・血液化学的な測定と合わせて施灸効果を判定する。 【方法】 遺伝子解析方法として、蛍光ディフェレンシャルディスプレイ法(定性)およびリアルタイムPCR法(定量)を使用予定だったが、新規に現れたDNAマイクロアレイ法が遺伝子解析の定量・定性の両性能を有するため、これを採用した。さらに、施灸のタイミングを探るために、神経生理学的実験(マイクロダイアリシス法、条件付け嗜好性試験、体温測定)を付け加えた。 【結果】 1.施灸に対する個体の反応:施灸後30分の時点で体温の上昇と側坐核におけるドーパミン分泌が観察された。同時に、ドーパミン分泌に対応する行動変化として、嗜好性反応が陽性になった。これについては追加実験の後に論文発表を予定している。 2.網羅的遺伝子解析:脳各部位と全身器官について施灸に反応する遺伝子群の検出を行った。現在、明確に検出されている反応は、脳における行動関連遺伝子群の増加である。解析は現在も進行中であり、終了時点で論文発表したい。 【考察】 施灸は温熱反応と艾のアロマ効果の両者が融合したものと考えられる。生理学および分子生物学的に検出された反応に基づくと、施灸により脳の遺伝子発現が変化し、個体の行動変化を生じ、結果として糖尿病症状の軽快につながると推定した。ヒトにおいては、その理由で動物よりも効果が現れやすいと推測した。
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Research Products
(13 results)