2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNAチップを用いた遺伝性ニューロパチーの包括的遺伝子解析
Project/Area Number |
18390262
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
有村 公良 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (20159510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 博 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (80372803)
祖父江 元 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20148315)
中川 正法 京都府立医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (50198040)
早坂 清 山形大学, 医学部, 教授 (20142961)
|
Keywords | Charcot-Marie-Tooth病 / resequencing array / multiple PCR / 遺伝子検査 |
Research Abstract |
遺伝性ニューロパチー(特にCharcot-Marie-Tooth病)は約2,500人に1人が発症し、比較的頻度の高い遺伝性神経疾患である。遺伝性ニューロパチーは、臨床的、遺伝的に多様であり、現在までに27以上の遺伝子が同定されている。 今年度は現在遺伝性ニューロパチーの原因遺伝子として報告されている27遺伝子と、遺伝性ニューロパチーの原因となりうる10の新規候補遺伝子を選択し,プライマーを設定し、1枚のDNA Chip (resequencing chip)上に110.938塩基の配列を搭載したGene Chipを作成した。本DNAチップは、resequencing array (Affymetrix社製)と呼ばれるもので、グラスチップ上に25merのDNAプローブの中央の1塩基をACGT4種類にしたものを、順に一つずつずらして並べることにより、シークエンス配列を決定するものである。このDNA Chipを用いて多数のプライマーを効率よくPCR反応させるために、Multiplex PCR法を用いて検討した。Multiplex PCRは、1つのチューブに複数のプライマーを入れて反応させる方法で、これによりPCRの本数を10分の1以下に減らすことができる。そのPCR産物をプールし、断片化後ラベルしてDNA Chipと反応させた後、高性能スキャナーでデータを取り込み、配列を決定する。現在のところ、このシステムは順調に働いており、実際の検体で確認したところ、99.9%以上の確率でその配列を読むことに成功した。このGene Chipを用いることで、すべての遺伝子を検索する場合の費用対効果は18倍、時間対効果は数十倍になり、迅速で正確な包括的遺伝子診断システムが完成した。すでに数例の実際の患者DNAでこの方法を用いて遺伝子検査を行い、2例でこれまで診断されていなかった既知の遺伝子変異が明らかとなり、この方法が極めて有用であることが明らかになった。
|
Research Products
(6 results)