2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現解析に基づいた悪性神経膠腫の治療反応性予測モデルの実用化に関する研究
Project/Area Number |
18390398
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 潤 京都大学, 医学研究科, 講師 (80252435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 信夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (40135570)
加藤 菊也 大阪府立成人病センター, 研究所, 所長 (60194809)
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Keywords | 悪性神経膠腫 / 遺伝子発現プロファイリング / PCRアレイ / 予後予測 / 個別化療法 |
Research Abstract |
1)予後予測及び補助療法感受性予測アレイの作成:平成18年度は170例の神経膠腫サンプルにおいて3456遺伝子の発現についてPCRアレイを用いて遺伝子発現プロファイリングを作成し、臨床経過との相関を統計学的に検討した。その結果、臨床的予後・後療法の感受性を予測するための58遺伝子群を同定した。更に新たな30例の神経膠腫サンプルに対してこの58遺伝子群の発現を調べ、有用性の再確認を行うために臨床データを収集している段階である。 2)染色体欠失、MGMT発現と遺伝子発現プロファイリングとの相関性の検討:予後や補助療法感受性と相関があると従来報告のある1P・19q欠失及びMGMT遺伝子発現について、上記同一170症例を用いて欠失の有無・発現の有無を調べた。この結果と58遺伝子群の発現の結果を現在統計解析中である。現時点での解析では58遺伝子の発現パターンは上記の染色体欠失・MGMT発現パターンとは独立のものであり、新たな予後予測・補助療法感受性予測のための方法として悪性神経膠腫治療に有用である可能性が示唆された。 3)58遺伝子群の蛋白レベルの確認:上記58遺伝子群はRNAレベルの発現に基づいて同定されたものであるが、これらの遺伝子発現について免疫染色を行い、蛋白レベルの発現を確認すると共に発現部位・細胞の同定を行う。この確認により、さらに58遺伝子群を20〜30遺伝子群に絞り込むことが可能と考えている。現在、上位遺伝子数種について、既にのべ600症例の免疫染色が終了し、統計解析中である。
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