2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現解析に基づいた悪性神経膠腫の治療反応性予測モデルの実用化に関する研究
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18390398
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
高橋 潤 Tazuke Kofukai Medical Research Institute, 医学研究所第5研究部, 研究主幹 (80252435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 菊也 財団法人田附興風会, 大阪府立成人病センター・研究所, 所長 (60194809)
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Keywords | 神経膠腫 / 遺伝子発現プロファイリング / ATAC-PCR / Real-time PCR / RNA / 予後判定 |
Research Abstract |
脳腫瘍において、WHO脳腫瘍分類から予後が推測され妥当な治療方法が決定される。しかし、WHO分類から予測される個々の腫瘍の生物学的特徴(治療反応性)が妥当でない場合もある。そこで、mRNAの発現プロファイルを用いた予後予測、治療反応性予測を試みた。本研究では、ATAC-PCRを用いて58遺伝子が悪性度の高いgliomaの予後に強く関連していることを証明した。さらに、臨床の現場で使いやすいreal time PCRに、そのプラットフォームを転換しようと試みた。 ATAC-PCRから選定した58遺伝子を用いたRNA発現プロファイリングでは、特定のアルゴリズムを設定することができ、それぞれのgliomaを予後良好群、不良群に分類し、GB症例にても同様に2群に分けることが可能であった。 今回用いるreal time PCR法は、SYBR greenを用いたインターカレーター法である。これは、mRNAから生成したcDNAに、その遺伝子発現に一致したプライマーを作成し、プライマーと反応して合成される二本鎖DNAが色素により発光するため、合成された遺伝子の分だけシグナルが増加し、それを分光蛍光光度計で評価する。real time PCRでも反応の安定していたUBL5をstandard primerとして使用し、同一サンプル間で、ATAC-PCRとreal time PCRとの相関係数で0.896と非常によい正の相関を得ることができた。 次にdelta delta Ct法を用いて、58遺伝子をさらに30遺伝子に絞り込み、gliomaの予後判定因子とした。新規の63症例をtest setとして解析をし、その妥当性を確認した。
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