2007 Fiscal Year Annual Research Report
母体栄養障害による胎児脳の成人疾患へのプログラミングとその解除に関する実験的研究
Project/Area Number |
18390443
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡村 州博 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (90124560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 芳孝 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (40261622)
加藤 英政 東北大学, 先進医工学研究機構, 准教授 (50292123)
千坂 泰 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (40323026)
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Keywords | Fetal origin of adult disease / 生活習慣病 / オリゴデンドロサイト / うつ病 / 低栄養妊娠マウスモデル / 網羅的研究 / Igf2 promoter P1領域 / H3, H4 Histone |
Research Abstract |
本年度は、母体栄養障害の胎児脳への影響、特に感染に対する低タンパク食の影響に関して研究を進めた。また、栄養障害の胎児脳に与える影響の機序を調べるためにRNAの網羅的検索を行った。 妊娠マウスに通常エサに比ベカロリーは同じでタンパク質成分を半分にしたエサを与え飼育した(低栄養群)。(1)妊娠中の母体体重増加は両軍で有意差はなかった。(2)妊娠17日目、生後7日目で低栄養群の胎仔の体重減少が見られた。生後妊娠14日齢で0.01mg/ml×30μ1のLPSを経膣的に投与し妊娠17日目に胎仔脳のPDGF-RAlpha, 0lig2, ActCapase3の免疫染色を行った。これらは各群間で変化が見られなかった。生後7日目に行ったMBP,GFAP,nestinの染色では、MBPが低栄養LPS群で有意に低下、GFAPは変化なく、GFAPとnestinの2重陽性割合はLPS投与群で増加していた。日齢19日では各群で神経膠細胞前駆細胞の有意な変化は見られず、アポトーシスもこの時になかった事になる。また、生後7日目にLPS群で活性アストロサイトが活性化していること、低栄養LPS群のみで成熟オリゴデンドロサイト(OL)の有意な減少が示された。 次に、妊娠17日目の胎仔の肝臓、心臓を用いRNAの網羅的解析を行った。低栄養群では、Igf2とそのBd蛋白の有意な低下が見られた。これに対し、Igf1の有意な変化はなかった。Epigeneticな変化を見るために、Igf2遺伝子のP1-promoter領域のHistoneメチル化を調べた。低栄養群ではH3,H4領域でメチルに有意な変化が見られた。Igf2はOLの発育を増進し、Igf1はその分化を調節している。OLの減少はIgf2の減少に関与すると考えられた。本研究では低タンパク質の食事がIgf2のepigenetic制御異常を生じ、これに感染が加わると新生児期の脳内でOLの減少がすることが分かった。
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Research Products
(4 results)