2007 Fiscal Year Annual Research Report
In vivo patch法によるprestin導入再生内耳の直接的機能解析
Project/Area Number |
18390454
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
欠畑 誠治 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 准教授 (90261619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 伸哉 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00312158)
丸屋 信一郎 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (90396408)
南場 淳司 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (50361027)
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Keywords | 内耳再生 / コルチ器 / 外有毛細胞 / prestin / ソノポレーション法 / 運動能 |
Research Abstract |
目的:哺乳類における極めて鋭敏な音受容機構は、内耳における外有毛細胞(OHC)運動能がもたらす"蝸牛増幅機構"によっている。OHC運動能は、その細胞側壁に存在する細胞モーターであるprestinの変形によることが解明されつつある。内耳再生医療のメインターゲットは最も受傷性の高いOHC運動能の回復である。再生されたOHCが"蝸牛増幅機構"に及ぼす質的効果については全く検討されていない。本研究では、直接prestin遺伝子Presの形質導入したコルチ器細胞、特にprestin高発現OHCを用いて再生医療への応用のための機能的検討を行う。まずコントロールとして、正常聴力に必要なprestin発現量を発達段階のマウスを用いて推定した。 結果:1.C57BL/6JマウスOHCのprestin発現量の計測 生後5日目(P5)から生後18日目(P18)までのOHCを用いて、パッチクランプ法にて膜容量の変化とprestin電荷密度を測定した。PrestinはP6より発現しその電荷密度はP18でプラトーに達し、10,956e^-/・m^2であることが昨年度の研究でわかっていた。OHCの運動能を反映するDPOAEを測定したところ、P11以降で反応が見られP14でmature levelに達すること、聴性脳幹反応(ABR)においてもP14でmature levelに達することから、正常聴力獲得のために必要なprestin電荷密度はP14における9,400e^-/・m^2以上であることが示唆された。この値が、機能再生のための目標値となる。 2.lipid raftの蝸牛増幅機構に対する形態的・機能的な影響 Lipid raftの阻害薬として知られているmethyl-beta-cyclodextrin(M・CD)投与によりOHC細胞長は濃度依存性に最大65%まで短縮し、non-linear capacitanceは脱分極側にshiftした。
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