2008 Fiscal Year Annual Research Report
X線吸収微細構造(XAFS)を用いた生体内微量金属元素の状態分析
Project/Area Number |
18390509
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宇尾 基弘 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (20242042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 清高 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (60175164)
亘理 文夫 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70158682)
横山 敦郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20210627)
赤坂 司 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00360917)
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Keywords | XAFS / 微小部分析 / チタン / 溶出 / 化学状態 / X線吸収微細構造 |
Research Abstract |
本研究は生体組織中の一部に微量存在する溶出微量金属元素や微小異物などを微小部XAFS法により同定・状態分析することを目的としており、ため、X線強度を低下させることなく100〜10μmレベルに集光し、任意の微小領域のXAFS測定を可能にする集光光学系の設計・試験するとともに、ニッケルチタン合金等の生体組織内での微量溶出を動物実験により試験し、蛍光XAFS測定により溶出元素の生体内での状態を評価した。 X線集光キャピラリー系と試料微小駆動系を装備し、駆動ソフトウェアを用いて試料を二次元的に移動しながら数十μmの精度で微小部のXAFSスペクトルを連続的に測定する装置を製作した。 実験は高エネルギー加速器研究機構放射光科学研究施設(PF)のビームライン9Aと12Cで行い、鉄、ニッケル、チタンを埋入した生物組織で部位による溶出金属元素の状態の差を数十ミクロンの精度で分析することに成功した。 また同測定系は極めて微少な生物試料の状態分析にも有用であることが判明し、異物を含む微小(1mm以下)の生物組織を集光したX線で分析し、内部の異物を同定して病態との関連に関する知見が得られることにつなげられた。本方法は極めて微少な試料採取で異物混入や吸引による症状の確定診断が可能であり、患者の負担軽減と高精度の原因解明に繋がる新しい手法と考えられた。
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Research Products
(8 results)