2009 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸アパタイト複合体スカフォールドへのアフィニティー化学修飾と機能制御
Project/Area Number |
18390515
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡崎 正之 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30107073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 伊佐雄 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40346507)
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Keywords | 炭酸アパタイト / スカフォールド / 骨再生 / 化学修飾 / 機能制御 |
Research Abstract |
高齢社会の現在、抜歯を余儀なくされた人々や、骨粗鬆症・骨欠損に悩む人々にとって硬組織の再建・再生は重要な課題である。本研究では、歯槽骨の速やかな再建・再生促進を目指し、従来、腰が弱く収縮し易かったスポンジ材料の欠点を克服するため、炭酸アパタイトを含有した適度な機械的強度を有する歯槽骨再生スカフォールドを開発することを試みた。特に本年度は最終年度でもあり、炭酸アパタイト・コラーゲン複合体への組織再生因子の付与並びに血管新生因子の導入に焦点を当て、複合体に代謝性且つ適度な機械的強度と弾力性を有するスカフォールドの開発を進め、各機能性骨形成因子の化学修飾の有効性と作用機序を明らかにするとともに、口腔機能の完全回復を目指した。その結果、BMP2やFGFを付与すると骨芽細胞様細胞の増殖が促進されるとともに骨再生期間の大幅な短縮が得られること、血管新生因子として合成したSVVYGLRを導入すると、1週間で血管新生が観察されることが確認できた。また、合成アパタイト炭酸含有量の影響についても動物実験により検証したところ、骨の結晶性と化学組成に類似した炭酸アパタイトで最も高い骨形成の能の得られることが明らかになった。さらに、高エネルギーATP付与の可能性について基礎実験を試みたが、時間の関係で目下引き続き検討中である。スポンジ材料の機械的強度と弾力性については、コラーゲンの種類と濃度、遠心分離時の水分除去量のコントロールにより調整が可能となった。以上の結果、最終本年度においてほぼ当初の実験目標は達成されたと考えられる。
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