2007 Fiscal Year Annual Research Report
ブラキシズム関連の口腔疾患に対する唾液分泌促進剤と胃酸分泌抑制剤の治療効果の解明
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18390556
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮脇 正一 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 順子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50264429)
大牟禮 治人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00404484)
坪内 博仁 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60145480)
山崎 要一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30200645)
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Keywords | 胃食道酸逆流 / ブラキシズム / 胃酸分泌抑制剤 / 唾液分泌促進剤 / GERD / DGOR |
Research Abstract |
本研究は、歯周病や顎関節症、顎顔面の慢性疼痛などの睡眠時のブラキシズムに関連した口腔疾患に対する唾液分泌促進剤と胃酸分泌抑制剤の効果を明らかにして、新たな治療法の確立を図るものである。鹿児島大学病院歯科に通院中の成人患者105名(25〜78歳)について、QUEST問診票とFスケール問診票を用いて胃食道酸逆流症(GERD)の定型症状を調べGERD陽性・陰性群の2群に分け、全身および口腔症状の有無を統計学的に比較した。その結果、QUEST問診票あるいはFスケール問診票でGERD陽性と判定された者は全体の25.7%であった。GERD陽性患者では、陰性群に比べて、全身の疾患や症状では昼間・夜間の咳き込み等の呼吸器の症状、背部痛、手足の先の痛み・しびれ、泌尿器科症状、身体全体の症状、頭痛が有意に多かった。睡眠障害も有意に多く、主観的QOLでは、身体的領域、社会的領域、QOL平均においてQOLが有意に低かった。以上から、GERDはいままで報告されている非定型症状以外に口腔疾患とも重要な関連のあることが示唆された。 次に、GERD陽性患者8名とGERD陰性患者8名について、胃および食道内pHモニタリングを併用したPSG検査を実施し、解析を行った。その結果、睡眠時のブラキシズムは食道内pHの低下時に出現することが多いことが確認された。また食道内pHの低下が見られない場合でも胃内pHの上昇が認められることが多かったことから、十二指腸の内容物が胃内へ逆流する現象(Duodenogastro-esophageal reflux、DGOR)がブラキシズムの発現に関係していることが示唆された。また、GERDやDGORに対する薬物療法がブラキシズムの発現を抑制する可能性が示唆された。
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