Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 正已 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (90295551)
山内 一史 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (20125967)
井口 弘子 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (60345907)
唐澤 由美子 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (40277893)
前田 樹海 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (80291574)
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Research Abstract |
H21年度は,地域看護活動を行う行政保健師の情報共有における倫理的問題の経験と意思決定に関して,デルファイ法に準じた調査を行った。調査対象は,A県内の行政保健師899名とし,3ラウンドのデルファイ調査と1回の確認調査を実施した。第1ラウンドは294名から回答(回収率33%)を得て,その内の140名から第2ラウンドの協力が得られた。第2ラウンドは84名(回収率60%)から回答を得て,その内の73名から第3ランドの協力を得た。第3ランドの回答は,51名(回収率70%)から得られ,それらの結果をもとに,情報共有における意思決定のパターンをまとめて,50名を対象とする倫理的問題における意思決定のパターンを確認するための調査を行った。 以上の結果,(1)情報を共有するかどうかの戸惑いや悩みを生じる事例には,虐待や虐待の疑い,子どもの成長発達の遅れ,精神疾患,感染症等があり,中でも,住民本人の認識とのズレがある場合に倫理的ジレンマが生じやすいこと,(2)関係する期間や職種との情報共有の必要性の判断において,もっとも優先することは「健康やいのちの視点」であること,(3)情報共有をするかどうかの判断には,「情報を共有する相手との信頼関係の構築」が大きく影響し,日ごろの業務の中で,多くの機関や職種と信頼関係を構築する活動を重視していることなどの意思決定の特徴が明らかになった。 以上の他,前年の研究結果について,ICN国際看護学会およびICNE国際看護倫理学会で口頭発表を行うとともに,H21年の調査結果について国内外の学会で成果発表を行った。また,B県のある医療機関において約80名の参加者(主として看護師)を得て,入院患者情報プライバシー認識尺度PIPSの特徴と使い方を含めた成果報告会を開催し,成果の普及に勤めた。
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