2006 Fiscal Year Annual Research Report
旧満州農村のロシア人住民-日本人との接触とソ連邦への帰還-
Project/Area Number |
18401017
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
阪本 秀昭 天理大学, 国際文化学部, 教授 (20068787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊賀上 奈穂 大阪外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (10346140)
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Keywords | ロシア正教古儀式派 / 旧満州 / ロシアへの帰還 / 移住 / 相互交流 / 三河地方 / コサック / ハルビン |
Research Abstract |
2006年8月22日から9月3日にかけて中国東北地方において調査旅行を実施した。参加者は阪本、伊賀上、および研究協力者の生田美智子(大阪外国語大学教授)、塚田力(北海道大学大学院学生)である。ハルビン市、牡丹江市周辺、内蒙古自治区呼倫貝爾市を訪問し、旧ロシア人居住地の現状を調査するとともに、住民にインタビューを行い、旧満州時代の状況や住民間交流について情報を得た。同調査については、2007年1月13日に阪本、伊賀上、生田が「ハルビン・ウラジオストクを語る会」研究会(大阪市)にて口頭報告を行うとともに、同会刊行雑誌『セーヴェル』23号(2006年発行)に塚田を加えた4名で報告書を発表した。 2006年11月9日から16日にかけて、研究協力者であるロシア科学アカデミー極東支部のアルグジャーエヴァ氏を招請した。同氏は11〜12日の日露極東学術シンポジウム(於京都大学)、および14日の天理大学科研費共同研究会において、ロシア極東地方および旧満州におけるロシア人農民に関する報告を行った。 2007年2月16日には、北海道網走市の大場昭蔵氏宅を訪問し、旧満州三洞地方における日本人開拓民とロシア人住民の交流について聞き取り調査を行った。これは2006年夏の中国調査を補うものである。 その他2007年3月12日から15日まで、伊賀上が北海道大学・札幌大学にて、また3月18日から20日まで阪本が富山大学にて、文献資料の調査・収集を行った。 また3月26日と29日には、阪本、伊賀上、生田が、京都大学総合博物館において今西錦司教授大興安隆嶺探検隊関連の写真資料調査を実施した。さらに2007年2月には、阪本、伊賀上の共著で『旧「満州」ロシア人村の人々』(東洋書店)が刊行された。 以上の活動を通じて、旧満州でのロシア人住民の動向がより具体的に把握できるようになり、今後の研究の展開に新しい光を投げかけた。
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