2007 Fiscal Year Annual Research Report
旧満州農村のロシア人住民-日本人との接触とソ連邦への帰還
Project/Area Number |
18401017
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
阪本 秀昭 Tenri University, 国際文化学部, 教授 (20068787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊賀上 菜穂 大阪大学, 外国語学部, 非常勤講師 (10346140)
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Keywords | ロシア正教古儀式派 / 旧満州 / ロシアへの帰還 / 移住 / 相互交流 / 三河地方 / コサック / ハルビン |
Research Abstract |
2007年6月9日に、エドワルド・バールイシェフ氏(九州大学)に龍谷大学まで来訪を願い、報告を依頼した。氏はロシアの古儀式派教徒について造詣が深く、体験談を交え興味深い話を聞くことができた。 8月中旬から9月上旬にかけてロシア連邦ハバロフスク地方を訪問し調査を行った。参加者は阪本、伊賀上ギ研究協力者の1.V.アルグジャーエヴァである。ババロフズク市では阪本と伊賀上は国立ハバロフスク地方文書館を訪問し、旧満州の白系露人事務局の年次大会に関する資料や、ソ連における政府側の宗教関連会議資料を閲覧・筆写し、古儀式派教徒の各地における動向を探った。そののち阪本、伊賀上は同地方ソールネチヌィ地区の古儀式派教徒の居住するタブリンカ村移動し、先行していたアルグジャーエヴァと落ち合い、同村で宿泊しながら聞き取りや参与観察、フィールドワークを実施した。その結果これまでに不明であったいくつかの事項について明らかにできたばかりでなく、新しい情報を手に入れることができた。 これに先立ち伊賀上は2007年5月27日〜29日までモスクワに滞在しロシア民族学人類学研究所を訪間したのち、5月30日〜6月5日までウラン・ウデ市にて開催きれた第5回学術・実用函際会議「古儀式派-歴史と現在、地域の伝統、国内および国際蘭係-」に参加し、口頭発表を行うとともに、関連行事にも参加した。研究協力者の塚田力も会議に参加した。 阪本は7月上旬にアジア・アフリカ研究所、8月上旬に北海道大学図書館を訪れ、旧満州ロシア人住民関係の資料収集を継続した。 研究協力者の生田美智子は2008年3月7日〜3月14日まで国立ハバロフスク地方文書館を訪問し、白系露人事務局関係の資料を閲覧した。 以上の活動を通じて、旧満州でのロシア人住民の動向がより具体的に把握できるようになり、またロシア帰還したロシア人たちの生活についての知見を広げることができた。
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