2008 Fiscal Year Annual Research Report
旧満州農村のロシア人住民-日本人との接触とソ連邦への帰還-
Project/Area Number |
18401017
|
Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
阪本 秀昭 Tenri University, 国際文化学部, 教授 (20068787)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊賀上 菜穂 大阪大学, 外国語学部, 非常勤講師 (10346140)
|
Keywords | 古儀式派 / ロマノフカ村 / 宗教会議 / 白系露人事務局 / 旧満州 / 教導者 / シリンヘ村 / タヴリンカ村 |
Research Abstract |
阪本は北海道大学大学院生の塚田力とともに2008年8月に旧満州のハルビン、横道河子、柳樹村、メジャヌィ村、チピグ村、チチハルを訪問し、満州国時代のロシア人古儀式派教徒と日本人や中国人の交流と接触について調査した。ハルビンでは大学や省の図書館を訪問し関係文献の収集に努めた。帰国後調査記録をそれぞれ雑誌『セーヴェル』にまとめた。また阪本は2008年9月から12月にかけて山口県和木町の中国からの帰還者三間令子さん宅を訪問し、かつてのロマノフカ村におけるロシア人との交流について思い出を語っていただき、それを記録した。そのかたわら、旧満州シリンヘ村における古儀式派の宗教会議について文献調査と分析を行い、論文としてまとめた。また昨年度訪問したハバロフスク地方タヴリンカ村についても重要と思われる調査事項にかんして雑誌『セーヴェル』にまとめた。これらの調査を通じて、旧満州と現在のハバロフスク地方における古儀式派教徒の生活と信仰について相互比較が可能となり、研究に一段と厚みを加えることができるようになった。 伊賀上は、日本人と旧満州ロマノフカ村との関係を考察するため、日本人が作成した文献資料・図像・映像史料を調査した。さらに、旧満州における礼拝堂派(ロマノフカ村住民など)以外の古儀式派教徒について調査すべく、夏季にロシア連邦ブリヤート共和国を訪問、ウラン・ウデ市のブリヤート共和国文書館、およびタルバガタイ村において、ベロクリニーツァ派主教アファナシエフ関連史料を入手した。それぞれの研究成果は、『セーヴェル』誌および、報告集『ディアスポラ社会の構造と対権力関係』にて発表した。
|