2006 Fiscal Year Annual Research Report
中央アジアにおける真菌症原因菌および関連菌の生態学的研究
Project/Area Number |
18405005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
矢口 貴志 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助教授 (60361440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 玲子 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助手 (60143319)
堀江 義一 千葉県立中央博物館, 海の博物館, 分館長 (40092093)
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Keywords | 遺伝子 / 生態学 / 菌類 / 微生物 / 分類学 |
Research Abstract |
調査研究実施国・地域:中国新彊ウイグル自治区の半砂漠やサバナなど乾燥地帯。 旅行経路:北京より中国に入国、空路ウルムチに移動し、新彊医科大学を拠点として調査を実施。 調査研究結果: 1)調査地では、植生、地形を考慮し土壌などを採集した。期間は平成18年9月9日から19日である。調査には新彊医科大学 恵教授、Paride Abliz助教授が同行し、採集地選択の助言、現地案内人と意志の疎通を図った。 2)試料採集後、新彊医科大学の研究室で土壌から、希釈平板法およびエタノール処理法によって病原真菌関連菌、食物汚染菌、マイコトキシン生産菌およびそれらの関連真菌などを分離した。 3)本年度はとくに病原真菌、マイコトキシン生産菌として重要なAspergillus属および関連菌種を中心に分離を実施した。採集した土壌より、A.niger、A.flavusが優先的に分離され、A.fumigatus、A.ochraceusの分離頻度は日本より低い傾向であった。米国にて臨床検体から分離、新種として報告されたA.lentules、日本では非常に希なA.viridinutansも分離された。最重要な真菌症であるアスペルスギルス症の原因の約70%はA.fumigatus関連菌種(A.lentules、A.viridinutansを含む)であるが、その薬剤感受性が種によって異なるため、臨床上種の正確な同定は重要である。これら分離株を千葉大学真菌センターで、分子系統的な検討を実施している。さらに、A.fumigatus関連の有性型であるNeosartoryaの新種と思われる菌株が分離され、形態および分子系統的な検討を実施している。新彊医科大学にて分離された真菌症原因菌をScedosporium prolificansと同定し、これは中国初の報告である。
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