2008 Fiscal Year Annual Research Report
条件不利地域におけるデジタル・デバイド対策と地域再生システムの開発研究
Project/Area Number |
18500195
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山中 守 Kumamoto University, 教育学部, 教授 (70140952)
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Keywords | 条件不利地域 / デジタル・デバイド / 地域再生 / 地域経済学 / 情報活用 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は,主に次の2つであった.第1は,これまでに地方自治体で取り組まれてきた地域情報化に関する資料の収集である.特に情報政策の基幹である総務省の協力により,地域情報化政策の実態把握に関する多くの資料を収集することができた.また地方自治体では,過疎化が進む熊本県阿蘇市の草原放棄地対策と地域情報化との関係,長野県飯田市役所等においては,地域振興のための交流人口の実態データを参照し,過疎化と地域情報化施策との関係について調べた.さらに山間地域の過疎地である熊本県水上村においては,地場産業と地域情報化の可能性に関する資料を収集した.収集した資料は研究目的にそった貴重な資料であったが,統計データを詳細に検討すると,一部には数値的に疑問に思われるところもあった.この点については,今後の資料の検討が必要であると考えている. 第2は,地域情報化が遅れている過疎地域の実態調査を実施することであった.調査した青森県弘前市はりんごの有名産地であるが,自然災害のヒョウの被害を多大に受けており,地域経済に大きな打撃を与えていた.スーパーマーケットでのリンゴの販売実態を調査したときにも,傷の入ったリンゴが多く店頭にあり,農家のみでなく,小売店も経済的被害を受けている実態を調査した.自然災害については事前に予測できる情報システムが必要であり,地域情報化の必要性を実感した.また弘前市近辺の町村も過疎化が激しく,地域情報化施策との関係の重要性を再認識できた.これは熊本県阿蘇市の草原の再生システム構築の参考になった.これらの研究成果は次年度に活かしていきたい.
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Research Products
(1 results)