2006 Fiscal Year Annual Research Report
GPIアンカー蛋白をコードするErc遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
18500330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
張 丹青 順天堂大学, 医学部, 助手 (40296877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏之 順天堂大学, 医学部, 講師 (40260070)
樋野 興夫 順天堂大学, 医学部, 教授 (90127910)
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Keywords | GPIアンカー蛋白 / Erc遺伝子 / Tsc2遺伝子 / ノックアウトマウス / 発がん |
Research Abstract |
ヒトの中皮腫や卵巣がんにおいて特異的に高発現するMesothelin産物は細胞増殖や細胞接着に関わっていることが断片的に示されてはいるが、その機能はまだよくわかっていない。Erc(expressed in renal carcinoma)遺伝子は我々が発見した遺伝性腎がんラット(Ekerラット)の腎発がん過程で特異的に発現する遺伝子で、Mesothelin遺伝子のホモローグであり、マウス17番染色体でTsc2から約1.1cMの下流に存在している。このErc遺伝子はTsc2ノックアウトマウスの腎腫瘍細胞においても強発現している。本研究は、我々が従来から得ている研究結果に基づき、Tsc2とErcダブルノックアウトマウス系およびErcノックアウトマウス系を交配し、Tsc2のヘテロ変異個体で有り、且つErcのホモ変異を持つマウスを作成し、Tsc2の変異のみを持つマウスと腎発がんなどを比較した。その結果、Tsc2ノックアウトマウスの腎がんがErcノックアウトのホモ変異個体(特に雄マウス)は腫瘍の増殖を著しく抑制されることを明らかにした。また、Erc欠損腎がん細胞株にErc強発現させた細胞株を樹立して分析したところ、コラーゲンコートプレートに対する細胞接着が強くなることが確認された。一方、Erc強発現細胞において、RNAi法によりErc発現を抑制した場合に細胞接着性が低下することも確認された。従って、Erc/Mesothelin遺伝子がTsc2ノックアウトマウスの腎発かん過程において重要な役割を果たすことが示唆された。現在、Erc欠損腎がん細胞株にErc強発現させた細胞株、および空ベクター導入コントロール細胞株をヌードマウスへ移入し、造腫瘍能など表現型の違いを検討している。さらにin vitroの実験系を併用し、Erc遺伝子の機能解明を進行中である。
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Research Products
(5 results)