2007 Fiscal Year Annual Research Report
GPIアンカー蛋白をコードするErc遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
18500330
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
張 丹青 Juntendo University, 医学部, 助教 (40296877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏之 順天堂大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40260070)
樋野 興夫 順天堂大学, 医学部, 教授 (90127910)
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Keywords | Erc / Mesothelin遺伝子 / Tsc2遺伝子 / GPIアンカー蛋白 / ノックアウトマウス / 発がん |
Research Abstract |
Erc(epressed in renal carcinoma)遺伝子は我々が発見した遺伝性腎がんラット(Ekerラット)の腎発がん過程で特異的に発現する遺伝子で、Mesothlin遺伝子のホモローグである。このErc遺伝子はTsc2ノックアウト(KO)マウスヘテロ変異個体の腎腫瘍細胞においても強発現している。本研究は、我々が従来から得ている研究結果に基づき、減数分裂時の組み換えによって作製したErcとTsc2ダブルKOマウスを用いて、Erc/Mesothelin遺伝子が発がんおよび中皮腫の発症に関わる機構を解明する。Tsc2とErcダブルK0マウス系およびErcKOマウス系を交配し、Tsc2ヘテロ変異個体で有り、且つErc6のホモ変異を持つマウスを作出してTsc2KOマウスの腎腫瘍発生に対するErc変異の影響を調べた。またTsc2/Erc欠損腎腫瘍細胞株を用いてErc産物の機能解析を進めた。その結果、Tsc2KOマウスは18ケ月齢では直径4mm〜30mm位の腎腫瘍が雄マウスにおいて32%、雌マウスおいて20%の腎臓に発生したのに対して、Ercのホモ変異(KO)の個体は腎腫瘍の直径は全て2mm以下であり、著しく抑制される傾向を示した。これらの結果が、Ercが腫瘍発生を維持・促進する役割を果たすことが示唆された。また、Tsc2/Erc欠損腎腫瘍細胞株にErc強発現させた細胞株を樹立して分析したところ、コラーゲンコートプレートに対する細胞接着が強くなる傾向を示した。一方、RNAi法によりErc発現を抑制した場合に細胞接着性が低下する結果が得られた。現在、Ercをノックダウンした細胞株を用いたヌードマウスへの移入実験およびin vitroの実験を併用し、腫瘍形成におけるErc遺伝子の機能解明を進行中である。
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Research Products
(6 results)