2006 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経の再生と萎縮筋に対する物理刺激ならびに各種増殖因子の影響
Project/Area Number |
18500403
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三木 明徳 神戸大学, 医学部, 教授 (20144561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 啓司 神戸大学, 医学部, 教授 (30144562)
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Keywords | 末梢神経再生 / 筋再生 / 物理刺激 / 褥瘡 / 神経成長因子 / 末梢血液循環 |
Research Abstract |
末梢神経再生の研究中に、坐骨神経切断後5日目頃から、多くのマウスの踵部に褥瘡様の皮膚病変が生じることに気付いた。褥瘡は難治性であることから、臨床面で非常に重要である。しかし、動物実験モデルで褥瘡を発症させる方法はまだ確立されていない。坐骨神経切断によって、正常では接地しない踵部が接地するようになり、そのために褥瘡が生じたものと考えられ、これまでの方法に比べて、より優れた実験モデルになりうる可能性が高い。今後さらに、皮膚病変の経時的変化を観察するとともに、発症予防に向けた各種物理刺激の影響や創傷治癒に対する影響を明らかにする予定である。(研究発表1) 神経再生や筋萎縮予防には末梢の血液循環が大きく作用する。しかし、急性期にはギプス固定や疼痛のため、外傷部に直接治療を施すことが困難な場合も多い。傍脊柱組織に電気刺激を与えることによって、刺激部位から遠く離れた手指における循環血液量を増加させることが明らかになった。この方法は外傷直後から行うことが可能で、神経再生を促進したり、廃用性筋萎縮を予防する上で効果が期待される。今後、さらに臨床応用に向けた基礎的研究を進めていく予定である。(研究発表2) 骨格筋損傷後の筋再生に対する各種物理療法の影響を調べて行く上で、骨格筋線維の局所的修復過程を超微形態的に観察した。骨格筋線維が切断されると、数時間以内に筋線維の開放部が修復され、膜系によって開放部は閉鎖される。この過程は、以後の炎症反応や衛生細胞の増殖・分化と密接に関係しており、筋の再生に重要な意味を持っている。今後、この修復過程に対する各種物理刺激の影響を明らかにしていく予定である。(研究発表3) これらの実験に加えて、現在、末梢神経損傷部における神経成長因子の発現と、これに対する磁気刺激の影響を免疫組織化学的、生化学的に観察している。
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