2006 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線カット機能材料の開発と環境材料(衣料ならびに生活用品)への応用に関する研究
Project/Area Number |
18500571
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
織田 博則 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80131176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 昌子 幾央大学, 健康科学部, 教授 (80047232)
美馬 朋子 西安造形大学, 造形学部, 教授 (20209852)
杉山 章 名古屋女子大学, 短期大学部, 教授 (30196761)
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Keywords | 衣服 / 紫外線 / 日光堅ろう度 / 改善 / 地球環境負荷 |
Research Abstract |
優れた紫外線カット機能と日光堅ろう性を併せ持つ、衣料関連生活用品の開発を目的として、まず、感温変色性衣料の日光堅ろう度の改善を試みた。感温変色性衣料に使用されているロイコ染料(カラーフォーマー)は、それ自身は無色であるが、顕色剤の作用により発色する。しかし、その耐光性は1級以下と非常に悪く、日常衣服としての使用に耐えない。そのため、我々は以前、感圧・感熱記録用色素の耐光性改善に有効な効果を持つ両性対イオン効果なる物を見出した。ここでは、両性対イオン効果を有する紫外線吸収剤を数種合成してその効果を検討した。具体的には、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の分子内に両性対イオン効果を導入した物、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の分子内に両性対イオン効果を導入したものを合成し、その効果をt1cセルロースプレート上にスポットし、高圧水銀灯照射により、関連する紫外線吸収剤、-重項酸素脱活性剤などと共に、その効果を検討した。その結果、単なる紫外線吸収剤の添加は、カラーフォーマーの退色の抑制には、さほど有効では無く、また、市販安定化剤も感温変色性衣料の耐光性改善効果は小さい。それに比べ、新規に合成された、ベンゾフェノン系およびベンゾトリアゾール系、並びのその誘導体は、いずれも優れた日光堅ろう度の改善効果を示した。特に、バイファンクショナルな両性対イオン効果を具備するベンゾトリアゾール系紫外線級数剤の効果は、非常に優れており、感温変色性衣料の耐光性改善剤の1つとして提案した。また、ローダミンラクタム系カラーフォーマーにはスタッキング効果を有する両性対イオンが有効であることを見出したため、現在スタッキング効果を具備する両性対イオンを分子内に持つ紫外線吸収剤を合成している。また、これら紫外線吸収剤の紫外線遮蔽性能及び身体防護性能(UPF)は検討中である。また、地球環境負荷については、いずれの化合物も地球環境に易しい化合物であることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)