2007 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線カット機能材料の開発と環境材料(衣料ならびに生活用品)への応用に関する研究
Project/Area Number |
18500571
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
織田 博則 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 教授 (80131176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 昌子 畿央大学, 健康科学部, 教授 (80047232)
杉山 章 名古屋女子大学, 短期大学部, 教授 (30196761)
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Keywords | 衣服 / 紫外線 / 日光堅ろう度 / 改善 / 生活環境 / 天然色素 / ヘヤーカラー / 地球環境負荷 |
Research Abstract |
パーマやヘヤーカラーの需要が高い昨今、染毛剤は単に髪が傷むというだけでなく、健康に重大な影響を与えている。そのため、最近天然素材に含有されている色素への関心が高まっているが、天然素材含有色素を染毛用色素として用いる場合には、色素の光不安定性が問題になる。そのため、天然色素の日光堅ろう度の改善を目的として、紅花赤色素カルタミンをモデルに選び、光化学的耐光性改善追求を行った。同時に、化合物の毒性(地球環境負荷)を探る1つの手法として、合成した紫外線カット材料の抗菌活性を、大腸菌および黄色ブドウ球菌を用いて行った結果、新規に合成した紫外線カット材料は、紅花赤色素カルタミンの耐光性を顕著に向上させるだけでなく、地球環境に易しい化合物である事が明らかになった。 引き続き、クチナシ青色素を天然色素のモデルに選び、その耐光性の改善を試みた。その結果、クチナシ青色素の光退色は、紅花赤色素カルタミンの光退色と同様、自動酸化と一重項酸素酸化の寄与が有る事を見出した。そこで、紫外線カット材料の効果を検討したが、いずれのタイプの紫外線カット材料も同程度の僅かな耐光性の改善が見られるのみであった。しかし、一重項酸素脱活性化剤については、NTSにおいて、顕著な抑制効果が見られた。そのため、一重項酸素脱活性化機能(ニッケルスルホン酸基)を有する、フェニルエステル系紫外線吸収剤を各種合成し、耐光性改善効果をセルロース上で検討した。その結果、ニッケルスルホン酸基を紫外線吸収機能部位の近くに導入した化合物において、特異的な安定化効果の発現が見られたので、この化合物を天然色素の耐光性改善剤の1つとして提案すると共に、無毒性ヘヤカラー実現へのアプローチとした。
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Research Products
(10 results)